一日で全体の0.71~1.02%・3億通もの電子メールが消失、マイクロソフトが論文発表
2006年10月18日 12:30
【INTERNET Watch】の報によると送信される電子メールのうち0.71~1.02%はただ消えてなくなり、相手の手元には届かないことが10月15日に発表された論文によって明らかになった【論文、英語】。どのメールが無くなったかは送信者と受信者が共にそのことに気が付き、なおかつ照らし合わせて確認して初めて分かることなので、この確率の「高さ」は大きな問題となりうるとされている。
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3日分のメールがただ消えて無くなる
詳細は元記事を参照して欲しいが、電子メールが無くなる可能性は0.55~5.00%の幅で計測されていたものの、今回の研究で0.71%~1.02%の間であろうという推測に落ち着いた。この「電子メール行方不明事件」の犯人は、主にスパムフィルターであるとしている。
興味深いことに(確率論の問題ではあるが)電子メールのパターンによって無事に到達できる確率には違いが生じた。たとえばGIFファイルを添付した場合はごく普通のメールと変わらないものの、HTML形式のメールの場合は消失確率が上がったという。またメールの内容、特にビジネス提案やエンロン関係、特定の株式に関する情報の場合、メールが「消えてなくなる」確率は急増したという。
元記事では「1日30通のメールを1年間送信するとして、3日分のメールがただ消えて無くなる」という表現で、電子メールの「消失事件」の可能性を表現している。
シマンテックのリリースによると、2006年の段階で1日あたり電子メールが送信されている数は840億通、そのうちスパムメールは75~90%にも及んでいるという。また【MYCOMジャーナル】の報では2006年6月にはスパムメール送信数は毎日550億通に達し、前年比83%増を記録している。この統計からすると毎日6億通から8.6億通もの電子メールが「行方知れず」になっていることになる。そのうち2億通から3億通近くが本来の意図で使われた、送受信者共に「消えては困る」電子メールだ。
あくまでも統計学上の計算結果なので自らの生活とどこまで関連性があるのかは確証が持てない。が、それでも「電子メールは必ず100%相手に届く」という考えは持たないほうが良い時代が迫りつつあるのかもしれない。
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