ジェネリック医薬品、医療機関でも84.6%が「不安」

2006年09月28日 07:00

お薬イメージ【公正取引委員会】は9月27日、医療用医薬品の流通実態に関する調査報告書(PDF)を発表し、その中でジェネリック医薬品(後発医薬品)について医療機関側では使用にちゅうちょするところがあることが明らかになった。

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後発医薬品については価格が安く手に届きやすいメリットがあり、政府でも医療費を抑えるために使用の推奨をしている。一方、サポート体制や「同じ原材料だったとしても作成工程に違いがある」「本来含まれるべきではないものが含有している場合がある」などさまざまな点で不安視されている。これについてはすでに医師の団体である日本医師会でも医師の7割が「信頼性に疑問がある」という調査結果が出ている(【参照:日本医師会、ジェネリック医薬品で医師の7割が信頼性に疑問符との調査結果発表】)。

今回は公正取引委員会という公的第三者機関による調査で、医薬品メーカー・卸売業者・医療機関・消費者モニターというあらゆる方面からの声を集約したものであり、日本医師会での問題提議を裏付ける貴重な内容として注目される。

発表内容を読み解くと、消費者側はジェネリック医薬品に対し「必ず」「場合によっては」を合わせると96.7%が「使う」と回答している一方で、医療機関側では「安全性、安定供給、情報量が不安」と回答しているのが84.6%に達しており、患者に(間接的に)提供してよいものかどうか悩みどころがある姿がうかがえる。

一方医療機関への聞き込み調査では、「先発医薬品のメーカーがジェネリック医薬品の不安をあおる説明をした」「ジェネリック医薬品の効能が低いというデータを見せられたが根拠があいまいだった」など、不適切な情報提供の事例が報告されており、公正取引委員会ではこれを妨害行為にあたるとしている。

ジェネリック医薬品では「効能や情報開示、サポート体制に問題がある」とする一方で「先発医薬品メーカーが妨害のため意図的によくないうわさを流している」という話もよく耳にする。今回第三者機関たる公正取引委員会の調査をみる限り、その双方ともが正しい(現実に医療現場などで問題視されている)という裏づけが取れたことになる。

最終的に薬を使用し、効用に期待し、副作用などがあればそれに苦しむことになるのは、最終的な消費者である患者一人一人に他ならない。医療費が安く済めばそれにこしたことはないが、薬のシェア争いや企業間の情報戦に巻き込まれるのは真っ平ごめん。

今回の公正取引委員会などのような第三者による監視の目、そして専門家による分析調査などで、より確実で安心して(そして安ければそれに超したことはない)使用できる薬を提供してほしいものだ。

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