【更新】「出会い系サイト」など子どもへ悪影響を及ぼす携帯サイトに対し、警視庁研究会が規制強化を求める
2006年09月25日 06:30
【警視庁】が開催している【バーチャル社会のもたらす弊害 から子どもを守る研究会】は9月21日、携帯電話販売会社各社に対し、子どもに対してはあらかじめ出会い系サイトなどへの接続を規制した携帯電話を販売することを求める内容の中間報告書をまとめ、これを発表した(【中間報告書(PDF)】)。携帯電話各社側はこれに対し「会社側が一方的に情報を制限するのは、表現の自由に抵触する恐れもある」とし、今回提言された規制には消極的な姿勢を示している。
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携帯電話各社ではすでに有害サイトを閲覧できないようにする「フィルタリングサービス(サイトの選別機能)」を実施。利用者の希望に応じて設定できるようにしている。ところがこのサービスの利用者は7.7%に過ぎず、サービスそのものを知らない保護者も過半数の57.7%に登っていた。さら携帯電話会社側が契約時、このサービスについて十分な説明をしていないケースも多く見受けられることが明らかになった。
研究会側では、学校や家庭などで携帯電話を通じて得られる情報の危険性への理解を深める取り組みが不可欠とし、さらに携帯電話会社に対し「初期設定であらかじめフィルタリングを作動状態にしておくか、インターネット機能を有しない状態で販売することを基本とすべきだ」と結論付けている。
今回の研究会の結論について、[YOMIURI ONLINE]によると携帯電話大手各社は次のように反応しており、規制には消極的であることがうかがえる。
【NTTドコモ(9437)】「何を有害とするのかを利用者ではなく電話会社が判断するのは、表現の自由の問題もあり、難しい」
【KDDI(9433)】「選択の幅を奪うのは通信の自由の観点から困難ではないか」
【ソフトバンク(ボーダフォン)(9984)】「業界全体で議論すべき問題だとは認識しているが、すぐに結論は出せない」
両サイドの主張ももっともな話ではあるが、表現の規制を厳しくしたところで、対象となるような「問題サイト」側ではそれに対処した手法をすぐに講じるのは容易に想像が出来、効果はないことが予想される。俗に言う「いたちごっこ」というものだ。
携帯電話の販売時における説明の徹底化や、初期設定時からフィルター機能のオンなどの義務化は必要だろう。また、パソコンのインターネット閲覧環境のような、携帯電話よりは強力と思われるフィルタリングの仕組みを導入する検討もした方がよいかもしれない。
しかしそれよりも、携帯電話を子どもに持たせる親の問題意識を高めることに重点を置いた方が効果があがるはずだ。「面倒だから」「それは携帯電話会社側の仕事だ」と突き放すのは、親の責任の放置である。さらに、携帯電話の使い方、注意事項について教育機関などで(たとえば授業時間を割いて)啓蒙を行うことも有効かもしれない。
携帯電話がここまで普及し、自動車のように免許を必要とせず利用できる以上、何らかの「教育」はなされるべきなのは間違いあるまい。
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