交通違反保険の最大手「全日本交通相互保障協会」、金融庁の意向を受けて廃業手続きへ

2006年09月24日 12:30

ゲームイメージ【Mainichi INTERACTIVE】が報じたところによると、【金融庁】が交通違反の反則金を補てんする「保険」について、今年4月に改正された保険業法の「公序良俗規定」に触れる可能性があるとして、一部の業者に対し指導をしていた件で、この「交通違反保険」の最大手である全日本交通相互保障協会が自主廃業することが9月23日までに明らかになった。

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【道交法改正に伴う駐禁摘発増加でニーズ急増の交通違反保険に金融庁がストップ】にもあるように「全日本交通相互保障協会」では今月6月から道路交通法が改正され駐車違反の取り締まりが強化された関係で、加入者が急増していた。しかしこの「交通違反保険」を用いると何度違反しても保険で(金銭面では)カバーできるため、取締りの効果が薄くなる、つまり交通法規の事実上無効化を手助けしていると官庁側がストップをかけていた。

「全日本交通相互保障協会」の保険は無認可共済であるためこれまでは根拠法が無く、保険と同等の金融商品でありながらも認可を必要としなかった。しかし4月改正の保険業法で加入者が1000人を超える場合は規制対象となり、9月末までに金融庁に届け出なければならなくなった。さらに先の記事でも報じているが「同保険は公序良俗に反する保険を禁じた保険業法に抵触する可能性が高い」とする非公式見解を表明しており、協会側でも事業存続は困難と判断。届出期限の9月末を前に解散を決定したとのこと。

同協会では9月4日に解散を決議、清算手続きに入ったようで、既加入者への補償は続けるとしている(ちなみに協会サイトでは今件について何の告知も無い)。

なお「全日本交通相互保障協会」では代理店制度を採用しており、全国に代理店は100前後あるとのこと。これらは「加入者が1000人を超える」という規制には該当しないため、金融庁への届出も必要とせず、9月以降も反則金保険事業の継続は可能とのこと。取り締まり法が存在しないため、関係当局側でも現状では黙認せざるを得ないようだ。

また、「1000人以下に加入者を抑えた団体を多数作れば認可を受ける必要がなくなるから、1000人以下の団体を多数作ればよいではないか」という姑息な手段が頭に思い浮かぶが、案の定その方法を用いている同業他社が現れている模様。

当局側でも本気で取り締まりを強化するのなら、保険業法をさらに改める必要も出てくることだろう。

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