金融庁、福証と札証に業務改善命令
2006年09月23日 07:00
【金融庁】は9月22日、【福岡証券取引所】と【札幌証券取引所】に対し業務改善命令を出した(【福証向けリリース】【札証向けリリース】)。不正な取引を防ぐための市場監視の仕組みが十分に機能していない点、システム上のトラブルが発生した場合の備え(リスク管理)が徹底していないことが指摘されている。まだこれらの問題点による不具合は実際には起きていないものの、「おきてからでは遅すぎる」という判断のもと、警告の形での行政処分実施となった。
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札証では取引の不正を監視するのに際し具体的な審査基準が定められていなかったり、システムのリスクに関わる管理体制が確立されていないことが問題視された。福証でも本来注意勧告をすべき銘柄をそのまま放置するなど銘柄に対する監視が十分に行われていないなどの問題点が指摘されている。
金融庁では10月31日までに検証と改善策を講じて、その実施状況を報告するとともに、当面は四半期ごとに書面で進捗を報告するよう命じている。なお両証券取引所では当日中に今件を受けてお詫びを述べると共に、取引そのものには支障はないことを明らかにしている。
今件はいわば、証券取引所に対して金融庁が「監理銘柄」扱いを行ったようなもの。指摘されていることが事実とはいえ、各証券取引所の心境はいかばかりのものか。少なくとも嬉しく思っていることはないだろう。
両証券取引所は元々出来高の少ない銘柄が多く、時として金融庁から指摘されても仕方ないような値動きをする銘柄が見かけられる。規模が小さいからとって監視体制を怠ってよいわけはなく、今後指導内容を元に厳粛化をはかってほしいものだ。
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