【更新】誤発注で成立した売買取引の取り消し、法的に認められる場合もとの見解
2006年09月21日 07:00
【日本証券業協会】は9月20日、株式の誤発注によって成立した株式取引売買の取り消しについて、「法的に認められる場合がある」とする有識者研究会の報告書を公表した。この報告書を元に11月までに売買取り消しに関する具体的な提言をまとめ、東京証券取引所などに対し、取引ルールの見直しを求める方針([参照記事:YOMIURI ONLINE])。
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記事によると報告書では売買取り消しが許容されるケースとして「必要な決済が一時的に不能となる」「公正な価格形成が維持できない」の2点を掲げた。具体的には「誤発注の株数が多すぎて取引できる株式が不足した場合」「特定の証券会社が出した誤発注で、値幅制限の限界まで株価が大きく動く場合」などが想定されている。たとえば2005年12月のみずほ証券による【ジェイコム(2462)】株式のケースは前者となる(ありえない枚数の株式取引が成立したため「必要な決済が一時的に不能と」なり、一定期間における取引そのものが取り消しという判断が下された)。
同時に報告書では「基本的に、証券市場で約定(売買成立)された取引の効果が、後になって否定されることがあってはならない」とし、売買の取り消しは「例外的な措置」であると位置づけている。
今回の報告書は一両日中に日本証券業協会の公式サイトにも公開されると思われる。その公開を待って精査する必要があるだろうが、「誤発注の取り消しを可能とするかどうか」について、明確な判断基準を設けない限り、「投資は自己責任のはずなのに」「証券会社や機関投資家は間違いが訂正できて個人投資家はだめなのか」という不公平感を助長する可能性が生じる。
そもそも取り消しが必要とされるような誤発注自体が生じないよう、システム側や売買側に仕組みを設ければ良いだけの話ではあるのだが、それもなかなか難しいものなのだろうか。
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