【更新】「遊び方を教える」ゲーム講座、シニア層に人気

2006年09月18日 18:00

[産経新聞]にゲーム業界の面白い動きをレポートする記事が掲載されていた。中高年向けにあるテレビゲーム講座が人気を集めているという。それは「ゲームを遊ぶための講座」だというのだ。要するに「お料理教室」や「陶芸教室」と同じ感覚で「ゲーム教室」に通うのだという。

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シニア世代が通うゲーム教室の目的は、もちろん「自分で遊ぶため」。だがそれと同じくらい重要視されるのは「孫と一緒に遊ぶため」にある。最近は猫も杓子もゲーム機を持ち歩き、田舎に遊びに来た孫も下手をすると一日中家の中で(携帯)ゲーム機とにらめっこ。おじいちゃん・おばあちゃんのことなどお構いなし。祖父母らは祖父母らで、色々と声をかけたり一緒に遊んでやりたいが、ゲームのことなど分かるはずもなく、さりとて教えてくれる人もいない。NHKの教育講座にパソコン講座はあってもゲーム講座などない。そこでゲーム教室・講座が人気をはくすようなったのだとのこと。

元記事ではSCEJが開催した、プレイステーションポータブルの操作方法を学ばせるなどシニア向けのゲーム講座「諸兄、ゲームやろうぜ!」の内容が紹介されていた。40代から70代までの25人が集まり、ゲームの遊び方、操作方法を学んでいた。何も知らないという前提でインストラクターが優しく教えるのがポイント。同じボキャブラリーを持つシニア世代が指導にあたるので、難解な専門用語も分かりやすく言い換えてくれる。電源の入れ方やソフトの取り出し方といった初歩から教えてくれる点も好評のようだ。

何よりもこの「シニア層のインストラクターが教える」あたりが好評だという。元々20代などの若手が指導していたが、「若い人に聞くのは恥ずかしい」という声が参加者からあがったため、同じシニア層の講師育成に乗り出したという。NPO法人の【おとなの暮らしと仕事研究所】とSCEJが組んで講師育成のプログラムを組んで育成を行い、試験(実技と筆記)に合格した「ゲームの達人」がインストラクターとして指導にあたっている。

ゲーム業界ではケータイをはじめとする趣味趣向の多様化でゲーム(機)離れが進む中、市場の縮小を抑え拡大を図るため、これまでのゲーム好きな「コアユーザー」だけでなく、ライトユーザーの確保やゲーム陣営への取り込みにこれまで以上に力を入れるようになっている。これまでは「ライトユーザー」といえば「ゲームにさほど興味を持たない」若年層のことを差していたが、最近では新たな顧客として中高年層(シニア層)の開拓にも注力を注いでいる。

コアゲーマーとライトユーザー、年齢層による区分
コアゲーマーとライトユーザー、年齢層による区分。本来、同じくらいに「ごく若い層でゲームに対する興味が沸かない人へのアプローチ」ももっと積極的にすべきなのだが、その方面は任天堂と一部のメーカー以外は今のところ後回しにしているようだ

記事では【バンダイナムコ(7832)】が来年春、神奈川県横浜市のららぽーと横浜内にオープンする団塊世代向けの遊び場「玄創工房」のことも紹介されているが、これぞまさにシニア層向けのエンターテイメントを提供する新ビジネスの好例だろう(元々ナムコはこの系統には豊富な経験を持っている)。

今後「陶芸教室」や「料理教室」と同じように「シニア向けゲーム教室」などというものもあちこちに登場するかもしれない。今後定年退職する人口が増加するにつれ、新しい人生の過ごし方としてゲームという選択肢も当然用意されるはずだ(将棋や囲碁と同じようなもの)。先のNPO法人のように「ゲーム教室講師資格」のような準国家資格が設けられるような話は……もちろん今のところはないが、あれば楽しいし、ぜひ挑戦したいものだ。

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