【更新】遺伝子操作の免疫療法でがんをほぼ消滅
2006年09月17日 07:00
[YOMIURI ONLINE]によると特定のがんを攻撃するように遺伝子操作した免疫細胞を使い、がんをほぼ消滅させることにアメリカの国立がん研究所のグループが成功した。アメリカの科学専門誌サイエンス電子版に発表された。
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記事によると治療の対象になったのは、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(しゅ)の患者。研究グループではこの患者17人の体内から免疫細胞の一部を摂取、悪性黒色腫を認識する特定遺伝子を組み込んで、がん細胞を攻撃するよう性質を変えた上で体内に戻した。その結果、15人で遺伝子操作した免疫細胞が体内に長く残る傾向がみられ、特に多く残っていた二人の患者では、がんがほぼ消失したという。
従来は、患者の体内から、特定のがん細胞を攻撃する免疫細胞を見つけて体外で増やし、体内に戻す治療法が研究されてきた。だが患者やがんの種類によっては、そのような免疫細胞が見つからない。研究グループは今回の方法なら「悪性黒色腫以外のがんでも治療は可能」としている。
元記事では「悪性黒色腫を認識する特定の遺伝子を組み込んで」とさらりと書いてあるが、これが簡単な話でないのは素人にも分かるというもの。とはいえ、がん治療にオールマイティな方法となりうる遺伝子免疫療法の開発の道が開けただけに、今後の研究成果に期待が持てるといえる。
遺伝子操作という点で多少抵抗感があるものの、「がん」という特殊事情がある以上、背に腹は変えられないのも事実。副作用などの問題点を注意深く確認しつつ、さらなる研究にいそしんでほしいものだ。
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