慢性骨髄性白血病の治療薬にリウマチ緩和の効用発見
2006年09月17日 07:00
【アメリカの科学情報誌サイエンス電子版】が9月15日に発表したところによると、がんによる慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬として開発されたグリベック(Gleevec)が、リウマチ性関節炎(RA)の症状を緩和する効用があることが明らかになった。
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グリベックは元々Bcr/Ablと呼ばれている、慢性骨髄性白血病を引き起こしているたんぱく質チロシン・キナーゼ(tyrosine kinases)をさまたげるよう開発された。しかしこのグリベックが、別のたんぱく質を防ぐ効用もあることを発見。研究グループの免疫学者やリウマチの専門医は、グリベックが関節の炎症の原因となる炎症細胞を増殖するたんぱく質にも影響を与えるのではないかと推測。偽薬効果などでマウス実験を行ったところ、関節炎の増殖をもたらすたんぱく質を防ぐ効果があることが明らかになった。
グリベックは他のたんぱく質にも影響を与えるため、リウマチ性関節炎を悪化させるたんぱく質だけを退治するのには多くの研究と実証実験が必要であると研究グループでは語っている。とはいえ、原因や治療法の多くが判明していないリウマチ性関節炎の治療に一筋の光明が見えたのは事実であり、今後の展開に期待せずにはいられない。
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