東証、来夏にも持ち株会社に
2006年09月14日 12:30
【日経新聞】が報じたところによると証券取引所のあり方を話し合う金融相の私的懇談会は9月13日までに最終報告書をまとめ、その中で【東京証券取引所】が2007年に持ち株会社化し、自主規制機能を分社化する方針を了承した(【懇談会議事録など】)。2009年には持ち株会社の株式上場を果たすため、体制強化を図ることになる。
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東証では現在取締役会の下部機関として自主規制本部と市場運営本部を持ち、社内でこれを管理している。そのため自主規制が「社内チェック」のレベルに収まるため上場審査などの体制が甘くなるとの指摘があった。今回の最終報告案では、「自主規制本部」と「市場運営本部」をそれぞれ個別の会社として独立させ、その上で持ち株会社を上位に持たせることで(ホールディング形式)、独立性を保ちやすくする狙いがある。
東証の持ち株会社化
今後東証では2007年6月の株主爽快で持ち株会社化を決議した後、2007年夏の金融商品取引法施行後に移行、組織の再編を図る。またそれにあわせて東証への上場ルールも厳格化する方向で見直す方針。
東証ではかねてから上場を目指しており当初は2005年度中に予定していたものの、システム障害が相次ぎ2009年に延期せざるを得なくなったという背景がある。懇談会の報告書でも「緊急時に備えて通常の2倍の処理能力と、災害時のバックアップ体制の完備が必要」と釘を刺している。
上場している取引所といえば昨今色々と世間を騒がせたファンド絡みのお話で【大阪証券取引所(8697)】が記憶に新しいところだが、取引所の株式については法律上20%を上回る取得は認められていない。一方ニューヨーク証券取引所では10%を超える保有株主には議決権を制限するなどの防衛策が設けられている。取引所としての中立性を保つため、東証も独自の防衛策を設けるべきではないかとする話もある。
「つぶれる可能性がきわめて低い」という意味では非常に堅い銘柄となるであろう東証の上場。その株式市場における主要インフラという立場ゆえに公共性の維持や自主規制をはじめとする健全性の確保など、上場してからも課題は多く、ある意味「株主の意見」が重要視される上場会社となるに違いない。
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