実用的なまつたけの人工栽培に成功、米沢の北日本活物菌茸研究所らが特許申請
2006年09月11日 06:30
[このリンク先のページ(kahoku.co.jpなど)は掲載が終了しています]が報じたところによるとまつたけの人工栽培に不可欠とされている種菌作製技術の確立に、山形県米沢市の民間研究施設【北日本活物菌茸(かつぶつきんたけ)研究所】と加藤良一・山形大地域教育文化学部教授が成功し、9月9日までに特許を共同で取得した。まつたけの種菌作製に関する特許は日本国内ではじめて。栽培技術は林業の再生と森林管理の両面にも貢献できると関係者は強調している。
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まつたけ菌そのものが非常に耐性に劣るところがあり、まつたけの人工栽培は過去ほとんど成功例が無かった。今回特許が認められた方法(専用の土にまつたけ菌を植えた上で固定化させ、松の木と共生させる)では、他の雑菌にまつたけ菌が負けることなく成長を続け、松の根に寄生し、耐久性も優れているという。
今回の方法ではすでに実用化にむけて20ヘクタールもの移植作業を行っており、成育状態の経過観察を実施中とのこと。効果が立証されるには数年かかる。
研究所の青野修一代表は「まつたけの人工栽培は研究段階を脱し、実用段階に入った。今後は開発した技術を休眠状態にある大規模民有林などに活用し、経営と管理を両立させ、山林の荒廃に歯止めをかけたい」とコメントしている。
味はもちろん、むしろ香りを楽しむ高級食材となってしまい、いまや国産モノは1本数千円単位と高値の華になってしまったまつたけ。海外モノの輸入ルートや産地では「色々と」問題が叫ばれていることもある。今後この技術が確立されて日本国内でまつたけが量産できるようになれば、高収益が見込めるのでその生産の場となる森林を管理保全する動きが進み、森林の保全に役立つことにもなる。もちろん国産の安全なまつたけの流通量も増え、価格もそれなりに今よりは安くなるだろう。研究成果に期待したいところだ。
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