【更新】温泉の効用を科学的に立証、高血圧や胃かいよう、リウマチに効果アリ

2006年09月06日 06:00

温泉イメージ[YOMIURI ONLINE]によると名古屋市立大医学研究科の岡嶋研二教授、原田直明助手らがマウスによる実験で、酸性の温泉水が高血圧や胃かいよう、関節リウマチなどに効くメカニズムを突き止めたことが明らかになった。9月5日から開催されている【日本温泉科学会】で9月6日に発表する。温泉の効用は経験則として伝えられているが、科学的メカニズムを調べ上げたのは今回が初めて。

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記事によると岡嶋教授らは、脊髄(せきずい)から皮膚に延びる知覚神経細胞をマウスから取り出して培養。これに薄めた酸性の温泉水をかけて刺激すると、神経末端からたんぱく質の一種(CGRP)が放出された。このCGRPは血圧降下の作用を持つほか、炎症抑制、傷の治癒促進などの作用がある「インスリン様成長因子(IFG)-1」というたんぱく質を増やす。

そこでマウスを温泉水につけて調べたところ、IGF-1の濃度が通常より増えていたという。さらにストレスによる胃かいようへの効果も明らかになった。

岡嶋教授は「温泉水の熱と酸性刺激が脳に伝わって副交感神経を刺激、体内のIFG-1が増えて、自己治癒力を高めるらしい」と話している。

入ると気持ちが安らぎ、大変良い気分になる温泉だが、単に気持ちが良くなるだけでなく実際に身体にプラスとなる効用が実証されたことになる。山奥の温泉では動物たちが湯治をする姿を見かけることがあるが、これも単に暖をとるだけではなく、「身体に良い」ということを経験則として知っているがゆえの行動なのだろう。

今後、温泉のどの成分が具体的に効用を導き出すのかの研究が進めば「効用が倍増する超温泉の素」などという商品も開発されるかもしれない。

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