【更新】医師が現場に駆けつける一般車両を「緊急車両」指定に、赤色灯などで対応
2006年09月03日 18:30
[YOMIURI ONLINE]によると政府は9月2日、通常パトカーや救急車などにのみ道路交通法で認められている「緊急車両」について、病院の医師が災害や事故現場に駆けつける際の一般車を「ドクターカー」と見なして含める方向で検討に入った。緊急車両扱いをすることで現場へ医師が駆けつけるスピードを上げ、救命率を上げる狙い。【警察庁】が【厚生労働省】など関連省庁と指定条件をつめて2007年にも道路交通法施行令を改正し施行する。
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道路交通法に基づく「緊急車両」は、信号などの停止義務や車線のはみ出しなど、道路交通法規の一部を無視して運転できる。緊急性が高いがための特例措置だ。医療関係では救急車以外に輸血用血液製剤や移植用臓器の輸送車などが施行令で指定されている。救急車に似ているが救急車ではないのに赤色灯をつけて赤信号を渡る車両を見かけた人も多いだろう。
現在医師が現場に向う一般車はこの「緊急車両」の指定外。交通規制に従うか、急ぎ現場に駆けつけたいときにはパトカーの先導に寄るしかない。このため今回の施行令改正では、「医師の車に赤色灯をつけてサイレンを鳴らすこと」を条件に、緊急車両に指定することにした。ただし、すべての医療機関の車にではなく、実績のある救急医療機関に限定する予定。
救急車や輸血用血液製剤や移植用臓器の輸送車以外の医療用「緊急車両」では、現在「ドクターカー」も用意されている。が、これには人工呼吸器などの救命措置機器が整備されている一方で、1台1600万円前後と高額なため、全国で100台前後しかないという。また、大型車両のため狭い路地に入れずスピードも出ないなど、機動力に欠けるとの指摘も多い。
今回行われる「ドクターカー」の基準緩和によって登場するであろういわば「簡易ドクターカー」は、医師のみを現場に運ぶのが目的であり、赤色灯やサイレンだけの設置で済むため、費用も200万円~300万円で済むという。配備数の増加と、現場への医師の派遣のスピードアップなどが期待される。
考え直してみれば、確かに「事故・災害現場に医療機器と医者が必要」な場合はともかく、「現場に医師が駆けつける必要がある」時は、わざわざ専門の救急車(に準ずるもの)に乗る必要はないわけで、合理的ともいえる。また、今案では提示されていないようだが、白バイのように「ドクターバイク」のようなニーズもあるだろうし、認可されるべきだと思われる。機動性という意味では小型車よりもさらに役立つことだろう。
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