中央青山監査法人、「みすず監査法人」に名を変えて業務再開
2006年09月02日 07:00
カネボウの粉飾決算事件で【金融庁】から一部業務停止命令という異例の厳しい処分を受けた中央青山監査法人だが、9月1日から【みすず監査法人】と改称し、二か月ぶりに業務を再開した。しかし業務停止の間に他法人に監査を変更した上場企業は3割近くに達する。一方で中央青山から分岐する形で6月に発足した「あらた監査法人」も9月1日から業務を本格始動した(【参照:asahi.com】)。
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先に何度か報じているように、一時法定監査が出来なくなった旧中央青山から他に監査を移行する上場企業は相次いでおり、4月1日の段階で監査をお願いしていた834社のうちみすず監査法人に再度委任するのは他の監査法人と共同監査する場合を含めて600社ほど・72%前後に留まる見通し。一方で【プライスウォーターハウスクーパース(PwC)】の日本拠点として設立されたあらた監査法人は、最終的に旧中央青山の会計士職員3500人のうち900人が移籍している。
元中央青山監査法人として新生する2監査法人が双方とも平仮名三文字の名前であり、「みすず」も「あらた」もそれ単独ではあまり聞かない言い回しなだけに、パッと見・聞きでは分かりづらく混乱するという状況も生じてきそう。
そのような素人考えの悩みは別としても。監査法人のシェアとしてはトーマツ23%・新日本21%・あずさ18%とほぼ並ぶ形で21%を誇っていた旧中央青山監査法人が、今回「みすず」と「あらた」に事実上二分割されることになる。業務停止期間に失い他の監査法人に流れた約三割の顧客もあわせ、上場企業向け監査法人の勢力図・顧客獲得競争にどのような影響を与えていくのか、注目したいところ。
なお旧中央青山監査法人のウェブサイトはURLをあらため、サイトのデザインも一新されている。色合いやデザインなど、まるで銀行の公式サイトのようでもある。とりあえずネット上のイメージ刷新はうまくいったようだ。あとはいかに落ち込んでしまった事業イメージを立ち直らせるかが最優先事項といえるだろう。
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(最終更新:2013/08/26)
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