mixiを悪用した「情報ねずみ講」、図解とその後……その3「問題点の指摘」

2006年09月08日 23:00

【その2】から続く、「情報ねずみ講」に関する続報。純一次情報の記事の場合、どうしても冗長になってしまうのが自分の悪い癖と自認しているのだが、なかなかこのクセは直せない。下手に端折ると「まだ書き足りないことがあった」と続編の記事を書いてしまったり、メモ用紙代わりに使っているホワイトボードが真っ黒に染まってしまうよりはマシではないか、と自分に言い聞かせることにする。

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「情報ねずみ講」の法的・倫理的問題

まず法的問題だが、これも繰り返している通り当方は法務職には無く法律関係の資格も持ち合わせていない。当方の法的言及には何の裏づけもないことをあらためてここで宣言しておく。

さて。「情報ねずみ講」と聞いて頭に思い浮かぶのは「無限連鎖講の防止に関する法律」や「特定商取引法に基づく連鎖販売取引」。前者は「ねずみ講」との絡みとして「ねずみ講防止法」という俗称で、後者は「マルチ商法」関係で名前を知られている。

詳しくは各自検索エンジンなどで調べてほしいが、今「情報ねずみ講」が、一般の合法でない「ねずみ講」にあらず、としているのは次の2点。

・下部構成をするのは有限の段階であり、「無限に増加する」ものではない。
・参加者が「金品(財産権を表彰する証券又は証書を含む。以下この条において同じ)を」消費、提出しているわけではない。


以上二点から、「無限連鎖講の防止に関する法律」第二条の定義に照らし合わせ、問題ないとしている。

一方「特定商取引法に基づく連鎖販売取引」絡みでは、禁止行為にある「故意の事実不告知」「不実告知」に抵触する可能性や、「広告規制」(特に電子情報処理組織関係)で問題があるように思えるが、当方にはこれ以上の検証は不可能。ただ、グレーな雰囲気がするのは確か。

何より問題なのは、資金の供給元となる「スポンサーサイト」側にしてみれば、期待に反するどころか悪用されているに他ならず、広告効果が上がらないのに広告費ばかり浪費する構造が加速化される状況が作り出されていることにある。正直これではたまらない。「気がついた」ところは広告費を下げたりスポンサーを降りたり、関係者を登録成功報酬支払い対象から除外するだろう。

だが携帯の自社サイトへの登録者を望むサイト運営者は山ほどいる。それらすべてがすぐに気がつくわけではない。「上部構成員」にすれば、次から次へと乗り換えれば良いだけの話。焼き畑農業よりたちが悪い。

また、他の大多数の真面目な広告掲載者もとんだとばっちりを食らうことになるのは言うまでも無い。ネット広告そのものの真偽性・効果性が疑われてしまのうことになる。前回の記事の繰り返しになるが、広告代理店のシステムを活用したネット上における広告・紹介システムを冒涜するような動きといわざるを得ない。

法的解釈に妖しいところがあるが、継続性があるのなら詐欺罪などにも該当するのではないだろうか。まぁ「それぞれは独自の意志で入りたいと思って登録しただけ」と主張されたらそこでオシマイだが。どのみちそのような経路で登録されたユーザーのロイヤリティなどたかがしれたもの。何の役にも立たないのは自明である。

幸い、mixiはこのたび上場を果たし、資本金を33億強に増強、公募価格の155万円で計算したとしても公募株式数4500株をかけて70億円近いキャッシュが入ることになる。上場で得た資金は「サービス強化のためのシステム開発及び会員数・アクセス数増加に伴うサービス用サーバー設備などの増設、事業体制の拡大に伴う事業所拡充にかかる設備投資に充当予定」とある。思う存分資金を投入し、体制を強化し、このような不当で妖しげなビジネスをする方々の処置をお願いしたいところだ。


■一連の記事:
【mixiを悪用した「情報ねずみ講」、図解とその後……その1「なぜ」と「理由」】
【mixiを悪用した「情報ねずみ講」、図解とその後……その2「仕組み」と「収益構造」】
【mixiを悪用した「情報ねずみ講」、図解とその後……その3「問題点の指摘」】

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