JPモルガン証券、TOPIX連動複数銘柄で多量の誤発注売り注文を発表
2006年09月26日 06:45
【NIKKEI NeT】によると米系証券会社の【JPモルガン証券】は9月25日、同日後場(お昼の0時半から開場する場)の東京株式市場において日経平均株価に連動する複数銘柄(日経225バスケット)の売り注文をする際、間違ってTOPIX(東証株価指数)連動型バスケット売り注文を入力し、発注したと発表した。
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日経225バスケット取引とは、日経平均株価に採用されている全銘柄をまとめて売買するもので、バスケットに入れて一斉取引するような考え方からこの名称がついている。通常は1億円以上の大口取引で、個人投資家によるものではなく機関投資家が行う取引であることがほとんど。
誤発注が実際に行われたのは後場取引開始直後の午後0時半過ぎ。後場の気配値が表示される0時15分あたりから特に大型銘柄でストップ安・ストップ高など妙な気配値のものが相次ぎ、誤発注かあるいは何らかの事件がおきてそれに影響されたのではないかと市場関係者の間で話題に登っていた。通常はこのような値動きはよくある「ブラフ」として場が始まる0時半直前に注文が打ち消されるものだが今回はそれも無く、後場が開場してからも大量の特別売り・買い気配が相次ぎ、値が乱高下した。
特に日経225に採用されていない東証銘柄に突発的な大量売りによる下げが相次ぎ、後場開始直後には比率計算でTOPIXが日経平均の倍近い下げを記録する場面も見られた。状況を冷静に判断した投資家の中にはこれをチャンスと捕らえ、監視銘柄が理由も無く急落したところを拾い、短期間で大きな利ざやを得た者もいたようだ。
JPモルガン証券では誤発注が市場へ影響を与えた可能性があるとし今回の誤発注についての公表を行ったとしている。しかしその一方で「個別銘柄の株価には重要な影響は無かったと認識している」とコメント。さらに誤発注した銘柄名や総数、損益の状況など詳細については明らかにしていない。
証券会社の個別銘柄については東証の決まりで誤発注の詳細を公開することになっているが(【例:本日の誤発注情報:アドウェイズ(2489)で立花証券による誤発注発生】)、今回はTOPIX連動バスケットの誤発注のため、東証における発表はない。情報開示の点で今後さらなる情報が公開される可能性は高くないが、今後似たような出来事が起きる可能性もあるだけに、JPモルガン証券には事態の究明と調査結果の公開を望みたいところだ。
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