石油元売もバイオエタノール販売へ、ただし経済産業省とは別形式のETBEで
2006年09月21日 12:30
石油元売各社で構成する【石油連盟】は9月20日、バイオエタノールを混ぜたガソリンの販売について、2007年の5月からガソリンスタンドでの試験販売を開始、2010年の本格供給に備えることを発表した(【発表リリースページ】)。
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これは地球大気中の二酸化炭素の削減に向けた京都議定書達成計画の内容を元にした、政府の要請を受けてのもの。石油連盟が販売するのは、植物などを原材料に作ったバイオエタノールに石油ガスを加えた「ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)」と呼ばれる燃料をガソリンに混ぜたもの(バイオガソリンと呼んでいる)。これを2007年5月から50か所ほどのガソリンスタンドで試験販売をするのと共に共同輸入会社を設立。2008年には100か所までに増やし、2009年度には1000か所までに拡大し、2010年の本格導入にそなえる。
すでに【環境省、バイオマス燃料の流通促進の方針を固める】で報じているように【環境省】側ではエタノールを直接ガソリンに混ぜる方法で実証実験を開始する予定であり、このままでは燃料の規格がばらばらのまま国内へのバイオエタノールガソリンの導入が進行することになる。困るのはユーザー側ばかりなり、ということになるのかもしれない。
バイオガソリンについては直接エタノールを混ぜるE3など(環境省御推薦)は品質などの問題や酸化窒素の排出量が増えるのではという問題点が指摘されている。その点ETBEならばE3などと同等の二酸化炭素削減効果がはかれると共に品質も安定しており、石油連盟側が強力にプッシュするのも理解できる。
一方でETBEの有害性についてだが、【環境省の資料によると(PDF)】、オーストラリアやアメリカの一部の州では毒性に関する調査が進んでいないため使用を禁止しているとのこと。石油連盟側でもこの点において「2007年末に有害性・発がん性などの調査とリスク評価を行う」と言及している。
第三者の目から見れば一長一短の感が強いE3とETBE。どちらの方式を主流とするかは、それぞれの今後の実証実験の結果を見る必要があるだろう。
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