EMシステムズ(4820)、薬の服用時間を携帯メールで知らせるサービス開始
2006年09月02日 18:35
調剤薬局向けのシステム開発や販売を行う【EMシステムズ(4820)】は9月1日、「あなたのお薬ナビ」と称したサービスの実証実験を行うと発表した(【発表リリース、PDF】)。薬の服用時間や服用履歴などを患者の携帯電話にメールなどで伝えるという、いわば携帯電話版「お薬手帳」+「服用スケジューラー」のようなサービス。
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リリースなどによれば今回スタートする実証実験では約200人のモニターを対象にメールサービスなどを実施。使った感想などを機能に反映させ、来年春にも本格的なサービスとして提供を開始する予定。このサービスは大別すると
・薬の飲み忘れ防止機能……スケジューラー管理により服用時間になるとメールでお知らせ
・電子お薬手帳……医療機関や薬剤師にいつでも自分の服用医薬品を提示できる
の2機能を持っている。将来的には患者の健康情報そのものや電子カルテシステムとの連動も検討しているという。もちろんプライベートな情報に関してはパスワードなどのセキュリティをかけて、第三者には閲覧できない仕組みを設けるとのこと。
何らかの病気で薬を処方してもらっている場合、「お薬手帳」に購入・服用している薬の履歴などを記載してもらうのだが、その「お薬手帳」をいつも持ち歩いている人は少ない。特に緊急時・災害時に気がつく人はそれほどいないだろう。その一方、そのような状況下でも携帯電話を持つ人は多いと思われる。そこでEMシステムズでは「携帯電話が電子お薬手帳になるのでは」という発想を持ち、今回のサービス開発につながったとしている。
個人の健康状態や服用医薬品のデータを携帯電話で確認し、それに関連する情報の提供も受けられ、さらに服用時間をスケジューラーで管理しメールで知らせてくれる。これまでにも一般ビジネス向けの「スケジューラー」と「メールお知らせ機能」を連動して薬の服用時間に対応させることは可能だったが、医療の面で一般患者向けに専門化されたものは見受けられなかった。携帯電話が「医療サポートツール」としての役割を持つようになるサービスとして、期待が持てるといえよう。
一つだけ気になるのは「薬の服用時間お知らせメール」サービスの件で、メール配信システム周りをきちんと考察しているかどうか。特定時間に携帯向けにメールを送信する場合、送信量に携帯電話側から制限が設けられていることもある。また、混雑しているとメールの送信が数時間遅れることはよくある話。「特定の時間にお知らせする」ということが前提条件の今機能で、「遅延」「制限」対策は考えられているのかな、と元「携帯電話ソフト開発業界の中の人」の立場としては心配するのだった。
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