日本財団、東証一部上業企業の社会的責任(CSR)評価を一括評価、「CANPAN CSRプラス」で公開へ
2006年09月02日 07:00
【日本財団】では11月から、東証一部に上場する1700社ほどすべてを対象に、環境、法令順守、社員の権利尊重など、「企業の社会的責任」ことCSR(Corporate Social Responsibility)への取組を評価する試みを開始する(【プレスリリース】)。同財団は特定企業からの出資を受けていないため「公平な立場で評価ができる」としている。また採点結果はすべてインターネット上で公開される。
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企業に対し収益などの利益業績だけでなく、さまざまな社会貢献や社会責任を果たすことを求めるCSRの考え方は1990年代にアメリカやヨーロッパで浸透し、CSRの国際規格を作る動きも進んでいる。
日本財団がCSRの採点対象とするのは
・環境保護、社会貢献活動
・従業員の働きやすさや、女性の幹部登用
・企業倫理の徹底、内部告発者の保護
の3分野48項目。採点行為は日本財団とCSR活動に詳しい非営利組織が行う。また、要望があれば非上場企業に対しても採点を行う。結果は【CANPAN CSRプラス】というサイト(11月開設予定)で公開される。また、このサイトでは企業がCSRに関するリリースを配信でき、さらにそれに対して一般ユーザーがコメントを書き込めるブログ形式のシステムを提供する。
海外ではCSRに積極的な企業に投資を重視する動きもあり、市場規模もアメリカで274兆円、イギリスで22.5兆円にも及ぶ。一方で日本では2600億円程度。日本財団では「CSRの取り組みについての情報開示が不十分なのが一因」と分析している。
CSRに積極的な企業のみを選択し誠実そうな企業のみのファンドを構成する、「社会貢献度の高い企業」ファンドも欧米では数多く構築され、投資動機の対象として人気を博している。日本でも今件のように、中立性の高いCSR評価がなされ公開されれば、それを基準としたファンドが組まれたり、考察が行われるなど、CSRに対する認知度も増すことになるだろう。また、特に個人投資家の中の間では、CSR評価を元に投資を考える人も増えてくるのではないだろうか。
リリース上に明記されていないので不明だが、一度きりの判定ではなく、定期的な再評価も望みたいところ。また当サイトでもトップページ左側で表示している「架空ファンド」の中に、CSR値の特に高い企業を集めて「社会貢献度の高い企業ファンド」の掲載をするのも面白そうではある。
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