個人サイトでもCGMの仕組みをうまく活用するには「質の良さと奥深さ」という基本原則を守ること
2006年09月13日 06:30
先に【通販サイトで流行るもの、涼宮ハルヒと鼻毛カッター】でも少々触れたが、インターネット社会における口コミ(バイラル・マーケティングonインターネット、ネットバイラルとでも呼ぼうか)やweb2.0での社会現象など、色々なメディアで語られるようになった。ブログや掲示板、SNSなど双方向性のシステムが普及し、ケータイによって多くの人にそれらが触れる機会を得たことによるものだろう。そんな状況に言及した【Web広告研究会】による会議のレポートが【INTERNET Watch】に掲載されていた。
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正確には上記のような会議のレポートではなく、ブログやSNSなどのCGM(Consumer Generated Media、要は使い手・読者側の参加によってどんどん成長していくメディアのこと。一方的に情報を流すこれまでのメディアとの大きな違いは双方向の情報交換によりメディアそのものが増殖し価値が増すことにある)を企業がいかに使いこなすかという内容。SNS、CGM、そしてweb2.0の3つのキーワードを織り交ぜた会話をすればなんとなく最先端を突っ走っているかのように思えてくる、まるで文明開化の時代にざん切り頭をぺしぺしと叩きながら慣れない手つきですき焼きを食べて「これが文明開化でござい」と自慢しているような状況において、ビジネスというシビアな観点から冷静に分析されている興味深い内容であることに違いは無い。
詳細は原文にじっくりと目を通してほしいが、簡単にまとめると次のような趣旨になる。
・スピーカーの役目を果たす情報発信者が増え、ネットの特質とあわせて情報の伝達がこれまでに比較して格段に上がった。が、手段と目的をはきちがえて「CGMが最終目標」としているところがある。
・CGMの普及はバイラルマーケティングをより容易に実行できるようにした。『涼宮ハルヒの憂鬱』と『男前豆腐屋』が実例。
・上記2件の共通点は「品質の高さ」と「(他人に語れるような)ネタの濃さ」。そして「最も重要なのは商品そのもの」。
・CGMを活用するポイントは「自社らしさ」「商品・サービスらしさ」「自分(サービスの担当者)らしさ」を打ち出すべき。
またこれらとは別に、「情報を意図的にコントロールし世論を操ろうとする(いわゆる「工作員」とか「サクラ」のようなものを使った)ステルスマーケティングは避けるべき」と指摘している。これはステルスマーケティングがよほどのことが無い限り実行側が思っているほどの効果は出ず、事実が明らかになった時の反発・リスクが大きすぎるからに他ならない。その実例は当サイトで何度と無く報じてきた通り。
会議ではあくまでも企業とCGMとの関係に限って言及されていたが、この原則は普通のサイトの運営でも変わらない。少しでも読み手と情報の送り手との間で「想いのキャッチボール」が交わされるならば、「質の良さと奥深さを守る」という、クリエイターが持つべき基本原則をひたすらに、それこそ愚直に守るのが重要。また、「自分らしさ」「サイトらしさ」も忘れてはならないということになる。
さて。当方はそれができているだろうか。読者の中でブログやサイトを持っている方々はどうだろうか。考え直す時間を設けてみるのも悪くはあるまい。
(最終更新:2013/09/16)
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