日本医師会、ジェネリック医薬品で医師の7割が信頼性に疑問符との調査結果発表
2006年09月20日 06:30
【日本医師会】は9月12日の定例記者会見において、ジェネリック医薬品(後発医薬品)に関する緊急調査報告を行い、その中で「7割近くの医師が効果に問題あると感じている」という状況を報告した。
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調査目的はジェネリック医薬品の普及に伴い、医師からの意見を集約し、検討のための基礎データを得るというもの。日本医師会のサイトを用いてアンケート調査を2006年5月26日から7月31日までの間に実施。577人の医師から解答があった。
それによると、
●ジェネリック医薬品の品質に問題があるか
・問題あり……56人(53.8%)
・問題なし……48人(46.2%)
※ゴミの混入、製剤の崩壊などの指摘あり
●効果に問題があるか
・問題あり……106人(68.8%)
・問題なし……48人(31.2%)
※効果が無く先発薬に変更したなどの報告あり
●安定供給に問題があるか
・問題あり……61人(68.5%)
・問題なし……28人(31.5%)
●医薬品情報提供に問題があるか
・問題あり……95人(81.9%)
・問題なし……21人(18.1%)
など、ジェネリック医薬品についてさまざまな面における問題点が指摘された(【詳細はこちらの資料も参照、PDF】)。
日本医師会の飯沼常任理事は「これらのアンケートはさらに日医で解析していくつもりでいるが、厚生労働省が認めた薬が、7割近くの医師が効果に問題ありと感じているのは、後発品を書類審査だけで認めていいかという問題提起になっていると思う。今後は、臨床試験、市販後調査などを厚労省に要望を出していこうと考えている」とし、ジェネリック医薬品の現状についての懸念を表明している。
ジェネリック医薬品については導入直後から医師の現場などから効用などの点で指摘が行われていた。しかし(インターネット上の簡素な問い合わせフォームとはいえ)今回日本医師会という医師団体による正式な調査による結果として姿かたちになった以上、その実用性などについては無視できない事態に進展したといえる。
今後管轄官庁がどのような対応を見せるかに注目したいところだ。
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(最終更新:2013/08/26)
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