防衛庁、イージス艦を護衛する汎用護衛艦「5000トン型DD」の概要発表

2006年09月01日 06:00

5000トン型DDイメージ防衛庁は8月31日、2006年度における政策評価及び実施庁の実績評価を発表し、その中で5000トンクラスの護衛艦(5000トン型DD・19DD型)の詳細について明らかにした(【発表ページ】)。2007年度にまずは1隻整備調達をするとのこと。諸経費は848億円。2011年までに配備予定。

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今回発表された5000トン型DDは「汎用護衛艦」に分類されるもので、防空・対潜・対水上いずれもの能力にも長けた万能選手型護衛艦。リリースでは「新たな脅威や多様な事態に実効的に対応し、本格的な侵略事態にも備えるための高度な防空能力、対潜戦能力及び対水上戦能力」を持つもの、そして機動運用部隊(俗に言う任務を受けた「艦隊」)の防空重視グループの中核をなすイージス艦が安心して弾道ミサイルの警戒や対処任務に従事できるよう、サポートする任務を帯びると説明されている。

要は「『困ったちゃんなご近所』の弾道ミサイルを迎撃するイージス艦が安心してお仕事できるよう、守ってあげるための用心棒」的任務を果たすための護衛艦ということになる。

5000トン型DD
5000トン型DD

【リリース(PDF)】を読む限り、既存の似たような任務をおびているたかなみ型と比較すると、魚雷防御システムが新設され、近隣諸国における「出動」の際には相手方として対峙しうるであろう小型魚雷艇に対応する機能が盛り込まれていることがうかがえる。また造型もイージス艦やヘリ搭載護衛艦のように、平面部分を増やしレーダーに反応しにくいデザインを施した「次世代型形状」をしているのが分かる。ちなみに848億円という価格だが、イージス艦1隻1200億円強と比べると約三分の二に相当する。

最終的には5000トン型DDは複数隻(4隻前後?)配備されるようだが、なにぶんにも高価なため、すべてが揃うには少なからぬ年月が必要とされる。「軍の装備はいつになっても充足することはない」というのが世の常だが、果たして「間に合う」のかが気になるところだ。もっとも5000トン型DDも含めた艦艇そのものが「威圧装備」としての威力のみを発揮し、実働されることがなければそれが一番良いのではあるが。

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