楽天(4755)の三木谷社長、週刊新潮の記事に対し特別声明を発表
2006年09月01日 06:00
[楽天(4755)]は8月31日、先に【週刊新潮にて「水面下で捜査が進む 楽天・三木谷社長の『Xデー』」特集記事】でも報じたように週刊新潮が楽天に関する観測記事を掲載し、それをきっかけとして株価が大きく変動した件について、三木谷浩史社長自らが特別にコメントを発表した(『発表リリース』)。業績予想を出さないことで有名な楽天が、一週刊誌の記事に対して社長自らの名前でリリースを出すのは異例中の異例の出来事と言える。
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リリースは「週刊新潮の記事に対する弊社三木谷からのコメント」と銘打っており、内容は次の通り。
週刊新潮の記事に対する弊社三木谷からのコメント
平素より格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
本日発売されました週刊新潮の記事につき、楽天株式会社としてはすでにコメントさせて頂きましたが、私からも個人的にしっかりとコメントをさせて頂いた方が良いと思います。
まず、事実に反した記事を書き、弊社のイメージを著しくダウンさせ、株式市場にまで大きな影響を与えた新潮社並びにその編集者及び記者の方に対して、大きな憤りを感じております。いい加減な情報をベースに、十分な取材を当社に対して行わず、いい加減な記事を書き、弊社の株主、取引先、従業員その他多くの関係者が影響を受けました。
週刊新潮には、自分の影響度を十分に認識し、責任のある記事を書いて頂きたいと思います。記事に書かれている内容は、あまりに馬鹿げていて、低俗で、新潮社の品位に大いなる疑問を感じます。その他、検察関係者のコメントなどとして、あまりにも無責任で事実に反する事項などを載せていますが、信じ難いです。
日本が本当に良い国になっていくためには、メディアの方々に、もっと責任のある質の高い記事をしっかりと書いてもらいたいと思います。
尚、本件に関しては、著しく弊社の名誉と信用を毀損しました。すでに会社側のコメントとしても出ていますが、損害の実態を勘案した上で、相応のしかるべき法的処置を、新潮社、週刊新潮編集者に対して、断固とることを付言させていただきます。
引き続き、楽天市場をはじめ楽天グループのサービスをご愛顧いただけますようよろしくお願い申し上げます。
読み直してみた限りでは新しく判明した事実として、楽天側は今記事に対し「十分な取材を受けていない」と明らかにしたことが挙げられるくらいであり、特に変わった内容ではない。一般論も交え、新潮側記事へのいきどおりを述べている。特にわざわざ「株式市場にまで大きな影響を与えた」と表記しているあたり、今回の件による株価の急落が少なからぬインパクトを与えたことがうかがえる。
楽天の直近三か月の株価動向
直近の過去三か月の株価動向を見る限り、一か月前の7月末前後に似たような急落と最安値への接近を示しており、今回の株価変動も「8月31日の時点では」それほど大きなインパクトを与えているとは考えにくい。ただ、出来高が一か月前のそれと比べるとかなり大きく、注目を集めているようすが分かる。
8月31日の市場が引けて以降、楽天では信販子会社の譲渡による特別損失を発表し、また今回三木谷社長がコメントした件でさらに新しい「噂」が一部タブロイド誌に報じられている。今日9月1日以降の株価がさらに変動し、三木谷社長が心配している「株式市場」への影響がさらに大きくなる可能性は否定できまい。
楽天の株価はチャートを見てもらえればお分かりの通り、市場において5万円が心理的抵抗線・底値としてとらえられている。その線を突破してしまうのかどうか、とりあえず本日9月1日の相場展開が気になるところだ。
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(最終更新:2013/09/02)
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