【更新】防衛庁、戦略企画室を2007年度中に新設へ
2006年09月25日 12:30
[YOMIURI ONLINE]などによると【防衛庁】は2007年度中に中長期的な視野に立って防衛政策を立案するための戦略立案機関てある「戦略企画室」を防衛政策局防衛政策課内に新設する。防衛庁の防衛省への昇格を視野に入れた機能強化のもよう。
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防衛庁では「省」機関への昇格について9月26日の臨時国会での成立を目指している。この防衛省への昇格に伴い必要となる、防衛政策の立案能力、特に長期的な戦略を念頭に入れた能力強化のため、今回「戦略企画室」の新設の方針を固めた。
「戦略企画室」には防衛政策局から5人の専任スタッフが派遣され、
・周辺諸国の状況の変化など新たな安全保障環境での「抑止」の在り方
・自衛隊による国際平和協力活動や各国との防衛交流
・東シナ海の資源などに関する海洋政策や領域警備上の海上保安庁との連携
・宇宙政策と日本の防衛の在り方
・最先端技術を用いた防衛システムの構築
などについて中長期的な視点から検討を進めていくことになる。
防衛庁内部部局組織図
図版にもあるように防衛庁内の内部部局(俗に言うホワイトカラー)にはさまざまな部局があり、後方から自衛隊を支えているが、この部局内の防衛政策局・防衛政策課に今回の「戦略企画室」が新設される。元々防衛政策局は防衛政策、防衛交流、自衛隊の部隊の編成・装備、情報の収集・分析、防衛施設の取得・管理等に関する事務を処理する部局であり、その一部機能が分離されたようなもの。
とはいえ今回の話では専属スタッフはわずか5人ということだし、あくまでも防衛政策課の内部組織ということに過ぎない。たとえばアメリカでは軍事戦略の立案を行う部局としては統合参謀本部が国防長官の直下機関として存在し、大統領や国家安全保障会議に助言を行える立場ですらある。
「戦略部門を総合的に判断立案するのは政治家の役目」という解釈なのかもしれない。が、防衛省に昇格するのであれば「アメリカを見習って」もう少し権限と人材・資源の配分を増やしても良いのではないだろうか。最終的な判断をするのは政治家だとしても、その判断選択のための選択肢の立案は多い方がよい。そしてその立案は専門家に任せた方が無難というわけだ。たとえるのなら「夕食を採るためにレストランに入った時、中華料理にするか和食にするか洋食にするかはお客が決めるが、料理はコックが作ったほうが良い」というところだろうか。
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