航空自衛隊初の空中給油機、愛知県小牧基地に2007年2月から配備

2006年09月09日 19:30

空中給油機KC-767Jイメージ【中日新聞】によると【防衛庁】が2009年度までに初めて配備する空中給油・輸送機4機のうち、1機目が2007年2月下旬にも愛知県小牧基地に配備され、2008年度末から同基地の新部隊による本格的運用がスタートすることが明らかになった。機の導入に伴い新部隊も増強され、2009年度末には150人体制(1個飛行隊)となるとのこと。

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空中給油・輸送機としてはKC-767(J)が割り当てられ(【参照:中期防衛力整備計画】)、2006年度から毎年1機ずつの配備が確定している。これまで空中給油機の航空自衛隊への配備は「航続距離が伸びたら敵への攻撃ができるようになる。それでは自衛隊の定義を逸脱する」という反対意見が根強く、配備は行われていなかった。

空中給油機によるCAP(Combat Air Patrol、空中警戒待機)の効率化
空中給油機によるCAP(Combat Air Patrol、空中警戒待機)の効率化

空中給油機KC-767Jイメージしかし上記図版(中期防衛力整備計画解説書より抜粋)の概念図を見れば分かるように、給油機を使えば滞空時間を延ばせ、より少ない機数で同等の任務がこなせる。つまり効率のよい部隊運営ができ、無駄なく防衛費を使うことが可能となる。ちなみに似たような考え方で、救難ヘリコプターUH-60Jに対する空中給油機能を輸送機のC-130Hに付け加え、救難能力の向上を図る計画も進められている。

小牧基地に配備された空中給油・輸送機は戦闘機の訓練に伴う発着が主な任務となる。もちろんスクランブル発進など何かあった場合には、それらの戦闘機に対する支援も想定されている。

またこのKC-767の配備に伴い小牧基地では専用の整備格納庫を建築中。1機目が配備されると同時に60人ほどによる実用試験隊が発足する。

ちなみにこのKC-767、航空自衛隊の主要戦闘機だけでなく早期警戒管制機E-767も給油ができるよう準備が進められている。また輸送機として使用した場合には200人程度の人員を運べ、貨物でなら35トン、1万キロほどの航続距離を持ち、航空自衛隊としては最大の搭載・航続距離を持つものとして注目を集めている。

ただ、KC-767Jが非常に高価なことと、現在輸送機として使われている輸送機などのC-1の後継機を自国独自開発で行うことも計画されているため、KC-767Jの実運用を確認しながら4機以降の追加導入(か自国独自開発の新型輸送機の流用)が検討される予定。

大型・長航続距離の空中給油機・輸送機の導入は上記にあるような戦術上の効率化を図れるだけでなく、柔軟化、選択肢の増加をももたらすものに他ならない。また、海外での国際貢献にも非常に有益なものとなる。今後の活躍が期待される。

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