東証、株価変動制限を緩和の方針。ストップ安・高の値幅制限を現状の1.5倍に
2006年09月17日 12:30
【NIKKEI NeT】によると【東京証券取引所】は上場している個別銘柄の株価について、1日あたりの変動制限を緩和する方針を固めたという。値幅制限は最大で現在の1.5倍に広がるという。売り、または買い注文が一方的に集中する場合でも取引を成立しやすくし、価格形成を円滑にする狙いがあるとのこと。持ち株会社化した東証が上場する予定の2009年導入を目指す。
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記事によるとこの値幅制限の緩和に伴い、株価が乱高下して投資家が混乱する恐れもあるため、値動きを小刻みにするよう東証の売買システムの手直しも同時に行う。東証では証券会社に見直し案を提示した上で、今月中にも正式決定をする。また、大阪証券取引所やジャスダック証券取引所も東証に歩調をあわせる方向のもよう。
1日あたりの値幅制限、すなわちストップ高・ストップ安のルールは、元々「一日で大規模な株価変動が起きて投資家が混乱しないように」という配慮のもと設定されている。日本独自のルールで海外証券取引所には無い特殊なルールでもある。また日本国内でもマーケットメイク銘柄には値幅制限が無く(代わりにサーキットブレイクルールがある)、それがために一日で「二倍・三倍は当たり前」的な値動きをする場合が見受けられる。
値幅制限まで株価が上がる、あるいは下がって売り買い数が一致せずに売買が成り立たない状態(「貼りつく」という)場が引けた時、たいていにおいては「比例配分」「ストップ配分」といい、成立した株数を各証券会社からの発注数量に比例して配分する(売り買い数の差があまりに大きい場合などは売買そのものを不成立とする)。
東証ルールにおける値幅制限や値動きの刻みは【こちらにある通り】。上下幅を1.5倍にするのに伴い、特別買い気配・売り気配の際にこれまで5分おきに変更していた気配値とその刻みも、合わせて変更することになるだろう(「値動きを小刻み」が時間的に、なのか株価的に、なのかは原文からは読み取れない)。
値幅制限が緩和されることで、元々乱高下が激しかった銘柄がますます「じゃじゃ馬」なことになれば、喜ぶ人もいるだろう。逆に「振り落とされ」たり、より痛い目にあう人も出てくるかもしれない。こればかりは実施してみないとその効果のほどはつかみにくい。
懸念材料としては私設取引所における夜間取引がどうなるか。ただでさえ出来高が少なくて値動きが「飛んだりはねたり」モードなのに、値幅制限が解除されたどうなるか。少々心配といえる。もっとも実際に制限緩和がなされる2009年までには、ある程度夜間取引の出来高も増加し、杞憂に過ぎないということになるのだろうが……。
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