アメリカの証券取引委員会、株式購入権疑惑で100社以上を調査中と発表
2006年09月08日 06:30
【NIKKEI NeT】によるとアメリカの【証券取引委員会(SEC)】は9月6日の上院銀行委員会証言で、ストックオプション(SO、株式購入権)をめぐる不正行為の疑いで全米100社以上の企業を調査中であることを明らかにした。また企業幹部の刑事訴追など、法的な責任追及も今後増えるとの見方も示した。
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記事によるとSEC側が問題としているのは、株式購入権を役員に与える日付を操作し、不正に儲かるようにする行為。具体的には株価が安かった日に購入権を受け取ったようにし、高値で売りぬけられるようにし、差益を増やし、役員などの受け取り主が受け取れる利益を意図的に増やす手法。
SECでは権利を与える日付を故意に書き換えるなどの不正が広がれば、投資家の信頼を失うと懸念している。
発言内容の詳細や状況の説明は【CNET Japan】などに記載されているが、司法省や国税庁でもこの「ストックオプションの日付操作」は重大な問題と受け止め、摘発に最大限の努力をしていくという姿勢を見せている。また、今件においては調査中の企業の多くが急速に営業利益を伸ばし上場も果たしているIT企業であるという。
日付書き換え行為はそれ自身は違法とは言い切れないが、「株主に隠匿された場合、税法や証券規則、詐欺行為に関する法律に抵触する可能性が」あり、好まれる行為でないことは確か。法改正を行い、明確に問題があると定義するようSECから政府への勧告も行われている。
このような行為についてはSEC側も憤りを感じているようで、SEC委員長のChuck Grassley上院議員いわく
このような行為は、今日よく聞かれる『自分さえよければよい』という考え方に基づくもので、『正直者は報われる』という考え方を踏みにじるものだ
と声を荒げているという。
日本でもライブドア事件をきっかけにSEC(日本の証券取引等監視委員会)の動きが何度と無く報じられるようになったが、株価の動きと業績発表のタイミングの不自然さをはじめ、特に新興企業の一部において「もう少しSECにも働いてほしい」と思わせる状況が頻発している。ストックオプションの日付書き換え問題は日本ではまだ主だった動きはないようだが、一般株主が泣きを見るような行為には監視の目を光らせ、SECに与えられた使命を果たしてほしいものだ。
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