首相、脱デフレ宣言を政治判断せず、統計データによる分析結果公表をうながす

2006年08月30日 06:00

株式イメージ【NIKKEI NeT】によると現在ウズベキスタンに外遊中の小泉純一郎総理大臣は8月29日、ウズベキスタンの首都タシケントで同行記者団と懇談した中で、デフレ脱却の判断について「私の退任前に脱却宣言をしたらいいという考えもあるが、その必要はない。私に配慮した政治判断は一切しないよう厳しく申し渡してある」とのべ、来月9月末までの首相任期中に「政治主導で」脱デフレ宣言をする考えのないことを明らかにした。

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一方で現在の日本経済については「様々な指標を見ても、しっかりした足取りと報告を受けている」とし、回復基調にある報告内容を強調。さらにその上で「客観的に見て完全にデフレ脱却しておかしくないというのなら(脱デフレ宣言も)いいだろう」とし、政治主導でなく内閣府などが分析データを公表することによる事実上の脱デフレ宣言なら問題はないという考えも示した。

「脱デフレ宣言」は現状の追認に過ぎず、宣言をしたからといって経済情勢が急速に改善するような「魔法の言葉」ではない。もちろん公定歩合の変動が実行されるなどのような政治や経済のルールが変更されるわけでもない。

ただ、官公庁によるデータの分析による「デフレ状態から脱却し日本経済は完全に回復基調に突入した」という宣言に他ならない「脱デフレ宣言」は、関連各省庁への基本方針や民間企業の各種決定、国内外の投資決定に「日本はこれから本格的に経済発展をしていくのだな、ならば今のうちに投資をしよう、業務拡張をしよう」というような動きをもたらし、大きな影響を与える。間接的にではあるが「魔法の言葉」的な影響力を持ちうる。

まず「脱デフレ宣言」ができる状態にまで経済を回復させることが何より重要。その一方で株価に大きな影響を与えるだろう今宣言がいつ行われるか、注目が集まるところだ。

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