「老化防止トマト」など機能食品的な健康志向食材、農林水産省が商品化へ注力
2006年08月29日 07:30
【asahi.com】によると、老化防止が期待できるトマトや血圧上昇を抑える成分が豊富なお米など、消費者の健康志向に応える新しい食材や素材の研究開発に、【農林水産省】が来年度から本腰を入れる。同省の研究機関などで開発した食材や素材の商品化を本格的にスタートさせるという。これは高い付加価値をつけて輸入農産物との差別化をはかり、日本国内の農業を支援する狙い。
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健康へのプラス効果が期待できるものの例としては、抗酸化作用があるリコピンを多く含む「高リコピントマト」や血圧上昇を抑えるギャバが豊富な胚芽(はいが)を大きくした「巨大胚芽米」、化粧品の保湿成分セラミドを砂糖の原料のテンサイのしぼりかすから抽出する新技術などを挙げている。これらは【独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構】などが開発し、臨床試験による効果の検証や実用化を進めている。遺伝子組み換え技術は使用していない。
すでに、今回の動きの中では【花粉症対策の「衣食住グッズ」を再チェック】でも紹介したように、花粉症緩和に効果があるメチル化カテキンを普通の緑茶の数十倍も含むお茶「べにふうき」なとが商品化され、人気を集めている。
市場に流通する「健康食材」には効果や品質が不透明なものも少なくないため、農林水産省では専門の検査機関が有効成分の含有量を検査し、合格しなければ出荷しない仕組みを作り、消費者へもアピールする考え。
すでにこの新食材・資材の市場規模は200億円と推測されているが、5年で3倍以上の700億円規模にまで拡大するのが目標。高い技術で創りだされた高付加価値の商品を作り出すことで、簡単に他国にはまねされないのではと期待されている。
ただ、最近失われつつあるといわれている「野菜本来の力」を引き出すだけで、品質改良をしなくとも、相当に「健康的な食材」を作り出すことは可能ではないかと思うのは当方だけだろうか。その意味では、「高機能化」と「原点回帰化」の二方面で、食材の開発をした方が良いのかもしれない、というのが個人的な考えということで、まとめておくことにしよう。
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