イギリス、「ダイエット大臣」の設置など子どもへの肥満対策強化
2006年08月27日 07:30
[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、イギリス政府は8月25日、4年後の2010年までにおよそ5人に1人の子どもが肥満になると警告した報告書を発表、フィットネス担当の大臣を新任するなどして、国をあげて肥満対策の強化に乗り出したことが明らかになった。
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これは【イギリス保険省】がまとめた報告によるもので、イギリスにおいては生活習慣がこのまま変わらなければ、2010年までに2歳から15歳までのこどものうち、5人に1人・およそ170万人(男性は22%、女性は19%)が肥満になると予想している。特に両親がどちらも肥満の場合、子どもは4人に1人という高い割合で肥満になると警告している。また報告書では子どもに限らず16歳以上の人たちについても、2014年までにおよそ3人に1人、1200万人以上が肥満になると警告。
この事態に対し保健省では
・子どもに対して……親が、子どもに対してコンピューターから離れて、外で遊ぶよう促すとともに、学校の食堂でより健康的な食べ物を選ぶよう指導すべき。
・国民全体に対して……酒を飲んだ時は、これまでよりビールを1杯減らす。バスは目的地のひとつ手前の停留場で降りて歩く。
などと呼びかけている。
イギリスでは2012年にロンドンオリンピックを開催する予定でもあり、この年までにより健康的な国を目指す。具体的にはCaroline Flint氏を「minister for fitness」(肥満対策大臣)として新任するなど、国をあげて肥満対策の強化に乗り出すとのこと。
BBCの【関連元記事】によると、すでに2003年以降、肥満の割合が成人で38%上昇し、今後は特に11歳以下の少女で肥満が増加する傾向にあること、肥満対策費はすでに毎年数十億ポンド(1ポンド=約220円)に達し国庫を圧迫していることなどが語られている。
イギリスのブレア首相もこの動きに賛同し率先する形で、運動を促進する行事が行われている体育館をしばしば訪問したり、エレベーターの代わりに階段を使ったりしているという。ただこの行動は警備や秘書には不評とのこと。また、肥満率が上昇すると、糖尿病での死亡率が上がるだろうと警告し、「政府のアクションは嬉しいが、言葉だけではなく行動を見せることを何よりも期待したい」と語る専門家もいる。
日本でもメタボリックシンドロームに対する研究が官公庁の後押しで急速に進められつつある。この分野で世界最先端の技術と経験を獲得できれば、そう遠くない未来、「ダイエット技術」が他の先進諸国に対しては有効な輸出産業として成り立つかもしれない。
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(最終更新:2013/08/26)
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