風力発電や自家発電など省エネ・ローコスト発電に「逆風」
2006年08月22日 06:30
最近の原油高でさまざまな発電方法に注目が集まる昨今、いわば「次世代発電方法」のいくつかに黄色信号がともるような報道が相次いだ。風力発電では安定性の問題が指摘され、自家発電では原油高で利用者が減っているという。
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『asahi.com』では、クリーンエネルギーとして注目を集めている風力発電に、言葉どおり「逆風」が吹きつけているという報道がなされた。風力発電は風の勢いで出力が大きく変わるので、電気の質が落ちるという理由で、電力会社が風力発電の電気の購入を控え始めているというのだ。各電力会社では買い取り電力の上限枠を設定するようになった。
曰く、風力発電の割合が増えると、電力全体の出力制御が難しくなり、電気の周波数を一定に保ちにくくなる、それが電気機器のトラブルを引き起こしてしまうかもしれないというのだ。
元々「大量に風力発電を行い一斉に各地で発電することで、地域毎の風の強弱による格差を少なくする」という思惑があった風力発電だが、供給量が増えるほど逆の効果を電力会社から指摘されるという結果におちいっている。
また、[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]でも報じているように、軽油などを燃料にして自家発電装置を導入し消費電力をまかないコスト減を模索してきた工場や店舗の間に、自家発電を止める動きが広まっている。
これはひとえに原油高によるもの。自家発電装置の普及が電力会社離れを招き、結果として電気料金の引き下げにもつながっただけに、自家発電が今まで以上に敬遠されるようになると、電力会社の価格競争に影響が及ぶのではないかとする意見もある。
原油高になれば相対的に他エネルギーの価格が安くなり、電力発電が多様化してさまざまな発電方法が普及する。そんなことを考えてしまいがちだが、どうやら状況は一筋縄ではいかないようである。
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(最終更新:2013/08/26)
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