アメリカのヘッジファンドもライブドアショックで日本株式運用に失敗

2006年08月19日 07:15

株式イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると8月16日付けの【ウォール・ストリート・ジャーナル】はアメリカの有力ヘッジファンドで日本の株式市場で高収益を挙げていた「Whitney New Japan(ウイットニー・ニュー・ジャパン)」が、1月ライブドアショック以降の株価急落がきっかけで、すでに資産価値の1/4近くを失ったと報じた。また、そのファンドでは日本市場において資産の復活を試みているとも報じている。

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このファンドは2000年10月にアメリカの投資顧問会社ウィットニー社が日本株式専門のヘッドファンドとして設立した「ウイットニー・ニュー・ジャパン・ファンド」。2005年12月末、つまりライブドアショックによる新興市場の低迷の直前には13億ドル(1495億円)まで増えていた資産価値が7月までに23%も下落。さらに別に運用している日本株ファンドも、2億ドル(230億円)あった資産が29%も失われた。

この「ウイットニー・ニュー・ジャパン・ファンド」の損失は、日本市場を対象としている多数のファンドの代表格のようなものだという分析もある。日本株式専門の104ファンドのうち47ファンドが7月までに損失を計上、報告を更新していない42ファンドのもあわせると、半数以上のファンドが今年に入って損をしているようだ。

アジア市場を中心にウィットニー・ファンドは過去6年間に12%以上の収益を上げ、特に昨年は40%にものぼる好成績を上げていた。それだけに、今年に入ってからのライブドアの件をきっかけにした新興銘柄の急落、さらに世界的な株価急落による損失は痛くないといえばウソになるだろう。

ウイットニー・ニュー・ジャパンが損失の穴埋めや利益の早期確保のため、日本株の売買をさかんにしていた様子は、今年に入って大量保有報告書に(たとえば【インターネット総合研究所(4741)】など)ちょくちょく同ファンドの名前が登場していたことからもうかがえる。それほどまでに、今年に入ってからの日本株式、特に新興市場における下落は、海外ファンドにとっても頭を抱える問題だったのだろう。

原文ではあるヘッジファンドの投資顧問のコメントとして、

"What's happened this year globally is that we've entered a flight-to-quality environment.(今年の日本市場の下落により、ヘッジファンドたちは大規模に投資性向を「質」的なものにスライドしつつある)"


という言葉をあげている。昨今の日本株式市場における、特に新興市場の低迷と、そのような環境の中でも「堅調さ」を誇る銘柄が(値嵩・新興を問わず)株価水準を維持しているどころか高値を更新しているのは、実はこのような海外ヘッジファンドによる投資傾向の変化によるものも一因としているのかもしれない。

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