「早食いは肥満の元」は量の多さや満腹感に限らない? 名大グループの調査から
2006年08月13日 07:15
【asahi.com】によると、早食いをすることはそれ自身が肥満を招きやすくなることが、名古屋大学の研究グループの調査で明らかになった。早食いをする人とゆっくり食べる人とで同じ量を食べたという前提で計算しなおしても、やはり早食いは肥りやすいという調査結果によるものだ。
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調査では愛知県内に住む35歳から69歳の人を対象に、男性3737人・女性1005人から、さまざまなデータを取得。食事をするスピードは「かなり遅い」「やや遅い」「ふつう」「やや速い」「かなり速い」の5段階で自己申告をしてもらった。
データを分析したところ、食べるのが速い人は食べる量も多かった。そこで研究グループでは食べる量が体重に与える効果を統計的に除去、さらに運動習慣など他の要因も考慮に入れないようにし、純粋に「食べる速さと肥満との関係」を調べた。
すると男女共に食べる速度が速ければ平均体重は重く、遅いと体重も軽いという結果が出た。「かなり遅い」と「かなり速い」グループの差は6キロから7キロほどあったという。
早食いが肥満の原因となる理由については、これまで「早食いをすると満腹信号が出る前にたくさんの量を食べてしまうから」といわれていた。今回の研究結果で、それ以外にも「早食い=肥満」となる原因があるらしいことが明らかになった。
記事では早食いをすることで、エネルギーの取り込みを促進するホルモンやインスリンが過剰に分泌され、結果として同じ量でも多量のエネルギーが身体に取り込まれてしまうからではないかとしている。研究グループの一人は「よくかんでゆっくり食べる習慣を子どものころから身につけてほしい」と話している。
今件では「ダイエットのためにはゆっくりと時間をかけて食べるのが重要」ということがまたひとつ証明されたようである。また、早食いでエネルギーが通常よりも多く取り込まれるということは、逆に考えれば「限られた量の食事で効率的にエネルギー変換をしたいのなら早食いするのが良い」ということもまた正しいと判断される。
例えば災害避難時に限られた食料しかない場合、「満腹感を得るためにゆっくりとよくかんで」とはよく言われることだ。しかしエネルギーの効率的吸収には早食いの方がよい、ということになると、これまでの定説がくつがえされたことになってしまう。
早食いとエネルギー効率、肥満の関係について、研究グループにはさらに調査研究を推し進め、謎の解明をしてほしいものである。
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