「フルアニ」原画設定資料集情報漏えい事件発覚、下請け業者による犯行と判明

2006年08月06日 07:00

インターネットイメージCDや出版物、特にキャラクタ関係などの企画製造販売管理を行う【デジクラフト社】は、同社が業務委託を受けていた【アクアプラス】のアニメーション麻雀ゲーム【フルアニ】の原画設定資料集の一部がインターネット上に公開されていた件についての調査結果を発表、デジクラフトの下請け業者によるものが明らかになった(【発表ページ】)。

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今件はソフトの初回限定特典としてつけられた【フルアニ原画設定資料集】の情報の一部が発売前にネット上に流出という形で公開されてしまったもの。同資料集では一部の作成についてデジクラフトの協力会社三和実業からユープリントへ再委託という形で製作が行われた(俗に言う「孫受け」)。そのユープリントの印刷担当者が印刷終了後の用紙を自宅に持ち帰り、デジタルカメラなどで撮影。インターネットで公開したという。

その後事態に気がついた会社側が7月18日の時点で情報漏洩者と疑われる本人と連絡を図るもかなわず、7月19日付で捜索願を当局に出すと共に調査を続行。7月26日に当事者から会社に連絡が有り、事情を確認した所、今回の情報漏洩を行ったのは本人であることが判明したという。また、情報漏洩者宅で発見した証拠物件こと「印刷物」および、パソコンについては回収し、当事者からのこれ以上の情報漏えいは避けられたとのこと。

今回の事態を受けてデジクラフト側では管理体制の強化と下請け業者への契約順守の強化などを発表している。

また、漏えい者本人の処分は明記されていないが、捜索願が出されたこと、少なくとも一週間以上無断欠勤をしたことなどから懲戒解雇されたものと思われる(損害賠償請求やその他刑事・民事訴訟の提起については不明)。とはいえ一度流出した情報がすべて回収されることなど無く、損害が救済されるわけでもないのも事実だ。

なお今後の体制強化の部分で情報管理に関する契約云々という表現があったことなどから、管理において下請け業者との明確な文面のやり取りによる契約の締結、孫受けに関する諸注意など、特にコンテンツ製作現場では必要不可欠とされる部分がなされていなかったことがうかがえる。

最近はデジカメ付のケータイやインターネットの普及から、誰でも気軽に「ワールドワイドに」情報発信ができるようになったこともあり、軽い気持ちで情報漏えいや悪用をしでかす人が増える傾向にある。本人に罪の意識がなかったとしても販売元をはじめとする関係各社・各員にとっては重大な損失(直接、間接を問わず)が生じるに他ならない。管理する側もされる側も、情報を取扱う身のものに対しては「常識」の徹底と啓蒙が必要なのかもしれない。


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