『ピタマック タンドリーチキン』『ピタマック タンドリーチキントマト』は、油分が少なく、もちもちとした食感を持つ平焼きパン「ピタパン」(主食として中近東では古くから食べられているパン)に、肉や野菜などバリエーションあふれる具材を詰め込んだヘルシー感のあるハンバーガー。どちらかといえばライバル会社のモスバーガーやケンタッキーなどのメニューといった印象がある。また、見た目もマクドナルド商品らしくはなく、かえって意外性を感じさせる。

ピタマック タンドリーチキントマト

「ピタマック タンドリーチキン(トマト)」は一つ一つ台形のパッケージに収められており、上のふたを開けてご開帳し、中身とご対面するというスタイル。箱からはみ出んばかりに収められたピタがトマトやレタス、チキンを包み込み上からたっぷりのマヨネーズソースがかけられている。箱の説明によると、さらに両サイドの切り取り線を切り取り、写真のように持ちつつ中身をちょっとだけずらしながらほうばるのだという。

ピタマック タンドリーチキントマトをばらしてみました

せっかくだからと、「パソコンやゲーム機でもないのに……」という意見もあるかもしれないが、「マック タンドリーチキントマト」を分解(?)し素材別に分けてみた。チキンが3ピース、トマトが一切れ、適量のレタスがメインの具。平焼きパンのピタの部分(底)に多くのマヨネーズソースがかけられているのが分かる。

さて肝心のお味。歯ざわりについてはピタのもちもちとした食感とレタスのサクサク感、どっしりとしたチキンの重量感が一口食べるたびに複雑に絡み合って絶妙なハーモニーをかもし出している。普通のパンズによるハンバーガーとはまた違った味わいは○。また、甘めのマヨネーズとトマト、それに相反するかのようなチキンにかけられた辛めのスパイスも意外にマッチしている。

全体的にあっさりめな味でまとめられた中で、ぴりりとアクセントを加えたスパイスの絶妙さが特に気に入った。暑さにだれて食欲があまり出ない中でもこれならOKかもしれない。

ただ、今回買ってきたものについては少々マヨネーズの量が多かった感がある。また具そのもののボリュームだが、「たっぷり感」を楽しめる一方で、安定感に欠けるところも気になった。特にチキンのピースがちょっと力を加えてピタを持つだけでするりと上に飛び出してしまう可能性がある。推奨している食べ方で持ち歩く場合、歩きながら食べると悲劇が起きるかも知れない。外で食べるにしても、腰を据えてたしなむのが良いだろう。

マクドナルドでは先の記事にもあるように、「安さ」と「良質のサービス」を兼ね合わせることを戦略上の重要ポイントとして位置づけ、新商品の開発にも力を入れる戦略を打ち出している。高めの提供商品の部類に入る、これまでのマクドナルド商品らしくない「ピタマック」。今後どれだけセールスを伸ばすか、注目したいところだ。