ワクチンでダイエット効果促進!? 特定ホルモン・グレリンの効用を発見
2006年08月02日 06:00
【Mainichi INTERACTIVE】によると、ワクチンで特定のホルモン「グレリン(Ghrelin)」の働きを弱め、体重の増加を抑えるラット実験に成功したと、アメリカのスクリプス研究所と大阪市立大のチームが成功したと、【アメリカ科学アカデミー紀要の電子版(The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)】で発表された。人間で同様の効果が得られるかは未知数だが、肥満解決につながる可能性があるとして期待されている。
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グレリンは日本で1999年12月、【国立循環器病センター研究所】で発見されたアミノ酸28個からなるペプチドホルモンで、食欲促進や脂肪蓄積などの働きがある。他にも成長ホルモン分泌刺激や血圧降下など多彩な作用を持つことが知られ、心機能改善や神経性食欲不振症への適用が期待されている。
今回発見されたのは、ワクチンでグレリンに対する抗体が増えたラットは、食べる量に変化はなかったのに、1日あたりの体重増加はワクチンなしのラットの3分の1以下になり、脂肪の蓄積も少なかったという現象。つまりワクチンによって身体のエネルギー消費量が増え、「余るエネルギーが減った」らしい。
研究チームによると、グレリンはダイエットなどで食べる量が減ると分泌され、体重減少にブレーキをかける働きがある。ワクチンが実用化されればそうした時期を乗り切るのに役立つ可能性があるという。
今回の成果を踏まえ、実験をさらに重ねて1年半後には人間を対象とした臨床試験に入りたいと話している。
つまり今回のワクチンは正確には「使用するとダイエットになる」のではなく「ダイエットの効果を促進する」もの。注射一発ですっきりダイエット……というような夢のようなものではないので、ご注意を(笑)。
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