NTT都市開発(8933)、サツマイモで都市冷却化実験
2006年08月31日 06:30
【NTT都市開発(8933)】などは8月29日、都心の気温が上がる「ヒートアイランド現象」を改善するため、オフィスビルの屋上でサツマイモの水気耕栽培システム導入とその効果測定実験を行っていることを発表した(発表リリース、PDF)。
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サツマイモは葉が大きく伸びることで多くの気化熱(水が水蒸気に変わる際に必要な熱)が発生し、熱を吸収することから、周辺の空気の温度上昇を抑制できる。また、成長も早いため気温上昇を抑える効果は大きいと見られている。
これまでの測定の結果、従来ヒートアイランド現象改善のために用いられてきた芝生と比べ、約1.5倍もの成果があることが確認された。また、屋上の無処理区画では55度にまで気温が上がった時も、サツマイモを植えていたところでは30度に抑えることができたという。
レポートではサツマイモ栽培の特徴・利点について5つのポイントを挙げている。
・優れた生成性(25倍の面積緑化)
・栽培が容易(病気や環境変化に強い)
・優れた蒸散量(葉が生い茂りやすい)
・優れた遮熱効果(高さと葉の重なり合い)
・癒し効果(サツマイモの収穫など)
実験装置全景
サツマイモが日本に大々的に広まったのは江戸時代、甘しょ(サツマイモ)先生と呼ばれることになる青木昆陽が飢饉対策として、時の将軍徳川吉宗に栽培を薦めたのがきっかけとされている。当時は多くの人の命を救ったサツマイモが、今度はヒートアイランド現象から都市を救うことになるのだろうか。11月以降に行われるという正式な研究結果発表を心待ちにしたいところだ。
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