【更新】フタタ(9879)、コナカ(7494)との経営統合決定
2006年08月19日 07:20
先に【アオキ(8214)】と【コナカ(7494)】の双方から経営統合を迫られていた、九州を地盤とする紳士服チェーン店の【フタタ(9879)】は8月18日、コナカとの経営統合を決定したと発表した([発表リリース、PDF])。同時にアオキから提案されていた株式公開買付(TOB)を謝絶することも明らかにした。
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これは九州への展開を図ったアオキがTOBによる経営統合を提案したところ、フタタの2割程度の株式を持ち業務提携を進めていたコナカが異を唱え、逆にコナカによる株式交換でのフタタとの経営統合を提案し、フタタを巡っての争奪戦が繰り広げられてきた。
この状況をかんがみフタタでは8月18日に臨時取締役会を開き、どちらの提案を受け入れるかを検討。ファイナンシャルアドバイザーの[三井住友銀行(8316)]の意見も取り入れた上で、業界の動向を考査すると経営統合そのものは避けられないとし、アオキが店舗の一部業務転換を図っているのに対し、コナカは業態の変更を行わなず、株主や従業員にプラスになる、すでにコナカとの間でシステムの共有化など合併もスムースに進むものと思われることの点をあげ、コナカとの経営統合を決定した。コナカでは早速『リリースを出して(PDF)』これを受け入れることを明らかにしている。
フタタでは18日に記者会見を行い、
「3年間の提携関係を通じてつちかわれた両社の信頼関係をベースに、これまで一部に限られていた関係を全面的に強化することによって、早期にシナジー(相乗)効果を高めることができる」
とし、経営統合先にコナカを選んだ理由と抱負を語った。
一方TOBを断られたアオキ側では青木拡憲社長が「コナカさんと一緒に頑張ってください。明るく、オープンな提案ができたと思っている。これからの時代の先駆けになったと自負している」と、今回の自社の行動は間違っていなかったとの感想を述べている。
製紙業界に続き紳士服業界でも、同一業界内大手同士による敵対的TOBか、と思われた今回の一件は、元々提携関係にあった二社どうしによる株式交換を用いた完全子会社化という形で幕をとじることになった。未だに決着の糸口すら見えない製紙業界側も、今回の結果が関係各社の間に影響を与えることは否定できまい。
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(最終更新:2013/08/26)
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