特約見直しに代理店統廃合、三井住友海上(8752)の改革案提示
2006年08月08日 12:30
【金融庁、三井住友海上火災(8752)に異例の厳しい業務停止命令】でも報じたように不払い問題などで業務停止命令を受けた【三井住友海上火災保険(8752)】が、特約の見直しや代理店の統廃合を推し進めるなど、抜本的な改革を断行していくことを明らかにした(『参照記事:Mainichi INTERACTIVE』など)。
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これは各メディアへ江頭敏明社長などがインタビューに答える形などで明らかになったもので、社内の改革だけでなく保険そのものの仕組みや代理店にメスを入れることによって、大なたを振るう意欲を見せている。
代理店統廃合では代理店への教育指導を強化し、研修教育を重ねても法令順守や顧客対応が水準に達しない代理店は契約の解除・近所の大型店への吸収などを考えている。
特約の見直しでは、傷害保険・火災保険など個人・法人向けの全保険商品における「特約」(基本となる保険に付随させる形で機能を拡張するためのオプション的存在の保険。特約単独では契約はできない)の廃止も含めた抜本的見直しを図る。これは不払い問題の一因として「特約が増えすぎて保険商品がごちゃごちゃして分かりにくい」状況があると判断したもの。
例えば三井住友海上では、自動車保険だけで約100種類もの特約が存在する。すでに自動車保険の特約見直しと削除は進みつつあるが、今後は火災保険なども含めた全保険商品でも見直しと統廃合を行うという。
すでに同様の動きは【東京海上日動火災保険(8766)】でも始まっており、今後特約の整理と統廃合の動きは加速するに違いない。もっとも、そもそも「便利な組み合わせ」を創るために創設された特約なだけに、統廃合されることで顧客側の便利さが失われる可能性もある。例えば人工知能をも関与させ、「条件を細かく入力していくとそれに従いベスト・ベターな保険の組み合わせをいくつも提案してくれる」ような、保険アドバイスプログラム(システム)の開発が今後は求められるかもしれない。
……というか、そんなシステム(さらに新商品、新特約が導入されても簡単にパッチを充てたり必要事項の入力だけで対応するフレキシブルな対応が可能なもの)があれば、不払い問題も代理店側の混乱もかなり解消されると思うのだが、どうだろうか。
■関連記事:
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(最終更新:2013/08/26)
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