ニコン(7731)のスパイ事件、赤外線誘導ミサイル技術の取得目的か
2006年08月12日 07:00
[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]が報じたところによると、先に【ニコン(7731)の元社員、通信技術のロシアへの漏えい容疑で書類送検へ】で報じた【ニコン(7731)】の元社員による窃盗・スパイ事件で、ロシア側の担当者だった在日ロシア通商代表部所属の男性が、GRU(ロシア諜報機関・軍参謀本部情報総局)所属部員だったことが明らかになった。
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今件でロシア側は、ミサイルが目標を探知するための赤外線センサーに転用できる技術を要求。先に「光通信の安定素子」としていたのは具体的には、光の波長などを調整する「可変光減衰器(VOA)」であることも判明したが、ニコン元社員はこのVOAを他の技術資料と共に無断で持ち出してロシア側に手渡し、現金数万円を受け取っていた。
今回手渡されたVOAや元社員が研究していた赤外線センサーは誘導ミサイルの開発には必要不可欠な技術。赤外線センサーは目標物の捜索に必要で、それらの情報をコントロールする側に正しく素早く伝えるにはVOAが不可欠なものになるからだ。今回のロシア側の動きは、ロシア陸軍の装備近代化に向けた情報収集の一環だったと分析する向きもあり、関連各局では警戒を強めている。
なお情報のやり取りは2004年3月から2005年10月頃まで行われているが、元社員は今年3月に退社している。取調べを進めている警視庁公安部によると元社員は「自分の研究成果を認めてほしいという気持ちがあり、求めに応じてしまった」と供述、社内の評価や処遇に不満を抱いていたと見られている。
「自分を認めてもらえないから」との理由でふて腐れることはよくある話だが、だからといって犯罪行為をしてもよいという大義名分にはならない。ましてや国そのものの存亡を左右しかねない情報を容易く手渡すとは何事だろうか。「そんな重要なものとは思わなかった」という言い訳は通用するはずもない。各局には厳粛に対処してほしいものだ。また、そのような対処がなされないと同じようなことが繰り返される危険性も否定できない。
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