北越製紙(3865)、買収阻止対抗措置発動の可能性高まる

2006年08月09日 06:00

株式イメージ製紙業界大手の【王子製紙(3861)】【北越製紙(3865)】を敵対的株式公開買付(TOB)で経営統合を図ろうとしている問題で北越製紙側は8月8日、社外監査役らで構成される独立委員会から、「買収防衛策を発動するように」と勧告を受けたことを発表した(【発表リリース、PDF】)。

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独立委員会は買収防衛策の発動の是非を論議するために設置されたもので、社外監査役3人で構成。独立委員会では「王子製紙が、本防衛策に従い、当委員会に対する買付説明書等の提供をする意思があるとは到底考えられず、今後も買付説明書等の提供があると期待することはできない。また、王子製紙がこのような態度に終始している以上」買収防衛策発動もやむなしと、勧告に踏み切ったと説明している。

北越製紙では勧告を受け、「独立委員会の判断を最大限尊重し、発動の可否などを適切に判断する」とコメントし、買収防衛策の大義名分が立ち「いざとなればすぐにでも発動を行う」意志を明らかにしている。なおこの「防衛策」が発動されると、「当該買い付け者以外に対する」新株予約権が無償で割り当てられ、結果として買い付け者の持株比率は低くなる。

すでに同日、北越製紙サイドにたって同社の株式を買い進めている【日本製紙グループ(3893)】が、議決権ベースで8.85%の株式を取得し終えたことを発表している(【発表リリース、PDF】)。7日に増資を引き受けた【三菱商事(8058)】の持分とあわせると33.29%になり、王子製紙の敵対的TOBはますます成功の可能性が低くなったと推測される。

今回のTOBでは公正取引委員会からの「独占状態への懸念」や北越製紙の労働組合からの反発もあわせ、王子製紙側には不利な要素が次々と積み重なっていく状況が続いている。すでに【紳士服のアオキ(8214)、フタタ(9879)に対し経営統合を申し入れ】でも報じたように他業種にも影響を及ぼしていることもあり、日本初の同業他社に対する本格的な敵対的TOBがどのような結末を迎えるのか、興味深いところではある。


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(最終更新:2013/08/26)

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