この第三者割当増資についてはすでに王子製紙側が「TOBのさまたげになるから撤回してほしい」旨を表明していたが、北越製紙側ではこれを受け入れず、予定通り増資を実施したことになる。さらに、すでに王子製紙のTOBには批判的な【日本製紙グループ(3893)】も北越製紙の株式を大量保有しており、10％を上限に買い増す予定。

この両社の株式をあわせると議決権ベースで1／3近い株式になり、過半数取得を目指している王子製紙のTOBの行方は怪しくなってきたのが実情。王子製紙側では今件を受けても、これまでどおり公開買付は継続するとしており、今後さらに株主へのアプローチを強化するなり、条件を上乗せするなどの対応策も考えられる。業界他社の動向がますます気になるところだろう。

■関連記事:
【王子製紙のTOB、個人株主に対する「攻勢」強化】
【王子製紙(3861)と北越製紙(3865)との経営統合計画で、公正取引委員会が任意審査開始】

(最終更新:2013/08/26)