王子製紙(3861)の北越製紙(3865)へのTOBで大王製紙(3880)が独占禁止法に抵触する可能性ありとして異議

2006年08月03日 06:30

株式イメージ先に製紙業界最大手の【王子製紙(3861)】【北越製紙(3865)】に敵対的TOB(株式公開買付)を開始した件で、業界第三位の【大王製紙(3880)】は、「TOBが成功すれば一部分野で王子製紙の寡占状態となり独禁法に触れる疑いがある」として、月末までに【公正取引委員会】に「独占禁止法に違反する」との上申書を提出する方針であることを明らかにした。

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大王製紙が問題視しているのは、ティッシュペーパーの箱などに使われる「白板紙」の分野。これは昨年の生産量のシェアは次のようになっている。

王子製紙……22.7%
北越製紙……18.3%
日本大昭和板紙……15.2%
王子板紙……11.0%
王子特種紙……7.1%


このうち王子板紙と王子特殊紙は王子製紙グループなので、事実上王子製紙グループで現在40.8%のシェアを確保している。今回のTOBが成功すればこれに北越製紙分が加わるので、59.1%と6割近いシェアを握ることになる。

大王製紙はこの白板紙を購入する立場だが、このTOBが成功することで1グループの影響力が過度に強まり、公正な競争環境が保て無くなり、独占禁止法に触れる恐れがあるとして今回の決定に踏み切った。またカタログや雑誌に使うコート紙の分野では大王製紙は競合するが、この分野でも寡占化を危惧している。

企業合併による合理化と企業力・経営基盤の強化を目指したとされる今回のTOB。企業が合併することで必ず起きうる問題である「市場独占化」が第三者から懸念されることで、ますます先行きが不透明になったことは明確。あくまでも強気の姿勢を採り続ける王子製紙が、今後どのような判断を下すのか、注目したいところだ。


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