ガンホー(3765)、通貨不正増殖に伴う『ラグナロクオンライン』のバランス調整策発表

2006年08月17日 06:30

ゲームイメージ【ガンホー(3765)】は8月15日、先に【ガンホー(3765)、元職員による同社『ラグナロクオンライン』への不正アクセスを発表】でも報じたように元社員による不正アクセスで同社が運営しているオンラインロールプレイングゲーム『ラグナロクオンライン』に大量の不正仮想通貨「ゼニー」が流通した件で、対応調整策を発表した(【発表リリース、PDF】)。今回発表された対策は開発元と協議を行った上で順次実施するという。

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リリースによるとまず今回の不正行為で、元々「お金の価値が下がり相対的にアイテムの価格が上がる」というインフレ状態が加速されたと判断。この状況を是正すべく、3つの方策で改善を図るという。その3方策とは

・不正取締り強化によるゲーム世界内における不正流通「ゼニー」回収で全体量を減らす
・消費型や期間限定型のアイテムを販売してゼニー消費を促進させる
・アイテム流通量を増やして相対的に価値を下げアイテムの高値感を抑える


と説明している。

インフレ改善のための3方策(リリースより)
インフレ改善のための3方策(リリースより)

またリリースでは質疑応答の形でいくつかの質問にも答えている。とはいえ、現在当局によって捜査中ということもあり、新たな事実は明らかにされていない。唯一「ゼニーの売却は会社の資産売却と解釈できるので背任行為にはあたるのではないか」という意見に対し「刑法上の解釈問題になるので分からない。法的な問題も含めて慎重に検討していきたい」というコメントが目新しいところだろうか(顧問弁護士がいるのだから本来は「分からない」ではなく「検討している」とすべきなのだろうが)。

元々モンスターを倒しても直接「ゼニー」が手に入らないという、少々変わったスタイルを持つ『ラグナロクオンライン』なだけに、流通仮想通貨に関するバランス調整もかなり苦労させられると思われる。ゲームサーバーという閉じられた一経済領域における通貨の流通量調整と物価の健全化は、まさに実経済のバランス調整同様に困難を要する。さまざまな経済学による方策を参考に、逐次修正を行いつつ柔軟性を維持しながら、状況の改善を進めてほしいものだ。


■関連記事:
【ガンホーの『ラグナロクオンライン』での通貨不正作成で思うこと(1)】


(最終更新:2013/08/26)

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