睡眠薬服用者の36.7%がうつの症状を持つとの調査結果
2006年08月24日 19:30
製薬会社の【グラクソ・スミスクライン】は8月1日、睡眠薬を服用している人のうち36.7%がうつ症状を伴っているという調査結果を明らかにした(【発表リリース】)。睡眠薬を服用していない人の15.6%と比べ倍以上の高さであり、「うつ」と「不眠」の関連性を裏付ける結果として注目している。
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今調査は20代から50代の睡眠薬服用者308名に対してアンケートを行ったもの。実際にうつ病の診断を受けていたり抗うつ剤を服用している人を除外した214名で統計をとっても、睡眠薬服用者の32.2%はうつ症状であることが導き出された。これらの結果から、睡眠薬服用者には「うつ症状」該当者が高い確率で潜んでいる可能性が高いことが分かる。
睡眠薬服用者におけるうつ症状の該当率
さらにほとんど毎日睡眠薬を服用している人は「うつ症状」を伴う割合が48.0%と、「うつ症状を伴う人ほど睡眠薬の服用頻度が高い(あるいは睡眠薬の服用頻度が高いほどうつ症状になりやすい)」こと、「うつ症状の該当者は睡眠薬を服用しても、睡眠薬の服用で解消されるはずの不眠状態を解消できない場合が多い」ことなどが分析結果として導き出されている。そして睡眠薬服用者の多くが、「自分のうつ状態を疑っているが、不眠以外の精神面の不調を医師に相談した事が無い」という深刻な状況も明らかになった。
「不眠以外」の精神面不調の改善意向について
今回の調査を監修した東邦大学医学部心身医学講座教授・坪井康次先生は
「不眠はうつ症状の重要なリスクファクターであり、うつ病の典型的な随伴症状であることはよく知られています。今回の調査結果でもそのことが明らかになりました。また、うつ症状を伴う人は、実際にうつを自覚している人が多い一方で、主治医にそれらの症状を相談していないこともわかりました。
睡眠薬を服用している患者さんは、不眠以外の精神面の不調についても主治医とよく相談することが重要です。医師と患者の十分なコミュニケーションは、漫然とした睡眠薬の服用を防ぎ、うつ病の早期発見・早期治療につながります」
とコメントしている。
先に【エスエス製薬(4537)、「理想の睡眠時間より実際には1~2時間短い」などの不眠白書をまとめる】でも報じたように、睡眠不足にはストレスが深く関わっている可能性が示唆されている。「うつ」も「ストレス」もいわばメンタル面でのトラブルが引き起こしたもの。「心の安寧」を求めることが、睡眠薬を使わなくても済む快適な睡眠、そしてうつ病状にも何らかのプラスをもたらしそうである。
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