ジェイコム(2462)誤発注問題でみずほ証券(8411)が東証に404億円の損失負担催告書送付
2006年08月23日 06:30
【NIKKEI NeT】などが報じたところによると、【みずほフィナンシャルグループ(8411)】のグループ証券会社【みずほ証券】が8月中旬に、昨年12月に【ジェイコム(2462)】株式で誤発注をして407億円の損失を計上した問題に絡み、【東京証券取引所】に対して404億円の損失負担を求める催告書を送付していたことが明らかになった。支払期限は9月中旬のもよう。
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みずほ証券側の主張としては「誤発注したのは事実だが注文直後に注文取消しを指示したにも関わらず東証のシステム不備で処理が遅れ、損失がふくらんだのが損失の大部分の原因」というもの。
これに対し東証側は8月22日の午後記者会見を開き(【関連リリース】)、西室泰三社長は今件につき、「東証側が多額の弁済をする必要は無い。裁判所などの第三者を通じて解決を図る段階に移行する可能性がきわめて高くなった」とし、法廷の場で争う姿勢を見せた。
記事によれば両者はこれまで11回にわたり意見交換を行ったが、「互いの質問事項からかみ合わなかった」とし、話し合いにすらならなかったことが明らかになっている。
東証、みずほ共に現在のところ公式サイト上で今件に関する資料の公開をしていないため、みずほ側がどのような内容の催告をしたのかは分からない。が、407億円の損失のうち404億円を東証側に請求するという態度を見せたのでは(それが争う上での「戦略」だったとしても)、東証側も首を縦に振る余地などないような気がする。
例えば秒刻みで誤発注前後の約定件数・株価などの一取引(約定)単位での取引一覧を提示し、誤発注の取り消しの連絡を入れてから実際に取り消しが行われるまでの、「システムが正常に動いていれば無かったであろう売買」の部分を明示した上で「ではこの部分の損失を負担してください」と東証に催告していれば(さらにその内容を一般公開すれば)、東証も反論の余地はあまりなかったかもしれない。
それともみずほでは「連絡を入れた時点で、通常通りの動作でも起きうるタイムラグを考慮したとしても、3億円分程度しか損失が発生しなかった」という計算の上、東証に催告したのだろうか。文書が公開されていない以上、推測の域を出ないのが残念ではある。
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