金融庁、本人確認の現金振込み下限を10万円超に引き下げ

2006年08月03日 12:30

株式イメージ【金融庁】は8月2日、現金を振り込む際に金融機関に本人確認を義務付ける金額の下限を、これまで200万円だったのに対し、10万円超に引き下げる関連法令(「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案」、「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」)の施行令改正案を公表した(【公表ページ】)。一般からの意見を募り、その上で2007年1月4日から実施される。

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今件はすでに【金融庁、ATMでの直接現金振込を10万円までに制限へ】にもあるように4月から検討されていた課題で、今回正式に公表されたことになる。タイムスケジュールは9月をめどに公布、2007年1月4日から施行。

この法令が施行されると10万円を超える現金を振り込む場合、銀行窓口で免許証や保険証など身分を証明できる書類を提示し、金融機関による本人確認が必要になる。

さらにATMを利用する場合、直接現金で10万円を超える振込みは不可能となる。ただしキャッシュカードや通帳を用いて他の口座に振り込む場合は、それらの口座を開設する時に本人確認を済ませているため、今回の法令の規制外になる。

国際犯罪組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)を監視・防止する国際組織・金融活動作業部会(FTAF)は2006年末までに、1000ドルまたは1000ユーロを超える振り込みについて、金融機関が利用者の本人確認を行い、取引記録を追跡出来るように求めていた(【関連資料、PDF】)。今回の施行令改正はこの勧告に伴うものである。

ただ、【銀行で週末や夜間の営業拡大の動き】でも触れたように、窓口で直接振り込みを行う作業は時間がかかるし手数料もATMより高い。一部利用客からは不満が出そうである。

とはいえ、その銀行に振込み用の口座を作ればよいだけの話ではあるのだが。

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