S&P社が消費者金融5社の格付けを下げる方向で見直し、株価は下落へ
2006年07月08日 08:00
【Fuji Sankei Business-i】によると、アメリカの格付け会社【スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)】は7月6日、消費者金融大手5社の信用格付けを引き下げる方向で見直すと発表した【(発表リリース)】。
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リリースによると格付け引き下げ検討対象となっているのは、[アイフル(8515)][アコム(8572)][三洋信販(8573)][武富士(8564)][プロミス(8574)]の計5社。同時に【イオンクレジットサービス(8570)】【クレディセゾン(8253)】【ニッシン(8571)】については格付け据え置きも合わせて発表した。
格付け引き下げの検討理由についてS&Pでは、政府与党の協議でいわゆる「グレーゾーン金利」が利息制限法の20.0%上限への一本化でまとまりつつあることだけでなく、業界の健全化をはかるための参入・行為規制などが実施される可能性が強くなったのを受け、今後これらの企業の粗利ざやが減り、ビジネスモデルの転換を迫られる可能性があるから、としている。
S&Pの資産では他の条件が変わらなければ営業利益は平均で70%程度減少する、ともいう(20.0%÷29.2%=0.68)。さらに信用リスクの高い顧客へのキャッシングなどの貸付が厳格化されれば、貸出残高がかなり減少する可能性も指摘している。
格付け据え置きの3社については、信用力への影響は現在の格付け水準に照らして下許容範囲内に留まると分析している。他の消費者金融と比べるとビジネスモデルの違いや親会社の存在が大きな要因。
これら消費者金融セクターの銘柄では、配当性向について半固定ではなく収益の何割かを充てるという、収益比例型の配当性向を採用しているところが多い。今後グレーゾーン周りで収益が減ることになれば、株価を下支えしていた配当も減ることになり、さらに株価が押し下げられる可能性も否定できない。
とはいえ、上記リリースでも指摘されているように、今後の動向(政策だけでなく各企業の対応)次第では、想定された収益減が現実のものにならない、あるいは小規模で留まる可能性もある。各社の動向を見極め、連れ安している銘柄をうまくすくい上げるのが、賢い投資方法といえるだろう。
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