富裕高齢者層に人気、超高額ツアーが引っ張りだこ

2006年07月31日 06:30

飛鳥IIイメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、旅行代理店各社が販売する100万円超の高額ツアーが好調な売行きを見せている。世界一周旅行や豪華客船クルーズなど、数百万円もする超高額ツアーですら完売が出るほどの人気。申し込みを行うお客のほとんどが定年を迎え、時間とお金に余裕が出てきた団塊世代やシニア層であるあたり、今後のビジネスや企業成績におけるヒントが隠されていそうである。

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にっぽん丸イメージ記事によるとJTBのロイヤルロード銀座が2008年4月に出発する、102日間で世界一周をする旅行クルーズ【『にっぽん丸2008年度世界一周クルーズ』】の予約受付を開始したところ、1人あたりの料金が最低でも260万円、最高額(スイートルーム)になると1160万円という高額な商品であるにも関わらず完売したという。この例をはじめ、同店で販売する100万円超の高額ツアーの申し込み件数は、昨年比で20%近く増加しているとのこと。

【近畿日本ツーリスト(9726)】でも今月、1人あたりの料金が350万円の世界一周ツアーを発売。日本旅行でも豪華客船【飛鳥II】のチャータークルーズを二泊三日で最高50万円という設定で発売したが売行きは好調とのこと。

これら「高額ツアー」の申込者のほとんどは、団塊世代、あるいはそれ以上のシニア層。時間・お金に余裕があり、さらに活動的なのが特徴。そして海外旅行の経験が豊富な人も多く、それゆえに「普通の海外旅行では味わえないゴージャスさ」を求めるパターンが多い。

旅行代理店では団塊世代の退職ラッシュを2007年にひかえ、これら「リッチで選択眼の鋭い超優良顧客」のために、他社より少しでも目に付いてニーズを充足してくれる「付加価値の高い旅行パック」の開発にやっきとなっている。バブル時代のように「高ければ何でもよい」というものではなく、内容が充実していなければ見向きもされない傾向があるからだ。

今後各代理店では、例えば他社が対象にしないような「レアな行き先」へのツアーや、予約が難しいレストランでの食事など、単に高級なだけでなく「他社と比べて一歩先行く」高級感を演出するようになるだろうと元記事では分析している。

高齢富裕層の旅行ニーズへの高まりはそれこそ前世紀末期から顕著になりつつある。例えば【ニッコウトラベル(9373)】は高齢者向け海外パッケージ事業で業績を上げているし、【日本郵船(9101)】の関連会社による高額世界一周旅行パックも前々から人気が高い。今一番まとまったキャッシュを動かせるのが熟年・定年世代であり、彼ら・彼女らをターゲットにしたビジネスは今後も成長が期待できるだろう。

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