水面に文字や絵をくっきりと映し出す技術を三井造船などが開発
2006年07月27日 06:30
【三井造船(7003)】の100%子会社である【三井造船昭島研究所】は7月24日、大阪大学内藤林教授との共同開発によって造波技術の高度化に成功したと発表した(【発表ページ】)。いわば「水面に波で絵や文字を描く」この技術、今後は音響や照明、噴水などと組み合わせてアミューズメント向け装置として売り出していくという(【参照:Fuji Sankei Business-i】)
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この技術は写真にもあるように、直径1.6メートル、水深0.3メートルの大きさの円形の水そうの周りに波を造る装置を50個取り付け、各装置の波を起こす部分の上下運動を計算に基づいて制御し、絵や文字の形を水面に浮かび上がらせるというもの。この制御には「ベッセル関数」と呼ばれる計算式が用いられるという。小さな円筒の波を点として重ねることで線のように見せ、図形などを水面上に描写する。
これまでにも似たような技術は同社によって開発されていたが、直線などの描写が難しいことや、データの入力に15分ほどかかるというようにまだまだ能力不足だった。今回開発された技術では直線もきれいに描けるだけでなく、データ入力時間も最長30秒ほどと大幅に短縮できたという。
波で水面に文字やマークが現れるのは一瞬。だが水槽の水に色を付け水面には照明をあてることにより、凹凸に影がつき、肉眼でよく確認できる。また3秒おきにさまざまな絵や文字を連続的に浮かび上がらせることが可能だという。例えば同じ絵を連続して表示させれば継続して表示させているようにも見えるし、英語のつづりを一文字ずつ逐次表示させれば、単語やメッセージの表示としても使えるだろう。また、現地の端末から絵を描き、その場で水面上に映し出すという演出も不可能では無くなった。
元記事によれば今回の技術による装置は1200万円から1400万円ほどで構築が可能だという。
メッセージ性の高いインテリアとして、例えば高級ホテルのロビーや、テーマパークの広場など、演出の工夫次第でいくらでも利用できる場所は考えられる。また、エンタテインメント分野以外にも、発想によっては利用価値があるかもしれない。
個人で購入するのはさすがに難しいが、心ときめくような技術が開発されたものに違いはあるまい。
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